◆MBAは企業の健全性をみる「炭鉱のカナリア」
このようにMBAは、閉鎖的で内向き体質の日本企業とは水と油のような関係にある。しかしいま、閉鎖的・内向き体質の日本企業では生産性や利益率が低迷し、国際競争力を失っている。
また女性の登用、外国人労働者の受け入れなど、ダイバーシティ&インクルージョン (多様性の包摂)の促進は避けて通れない課題である。ダイバーシティ&インクルージョンを受け身ではなく、戦略的に進め、組織や働き方を見直したことが他の従業員にも歓迎され、離職率の低下にもつながったケースがある。
さしずめMBAホルダーの誕生は、会社組織の健全性をみる「炭鉱のカナリア」のようなものだ。汎用的能力と多様性を持つ人材を頑なに認めない企業は、この先の成長も期待できないといっていいだろう。