ビジネス

コンビニ「袋パン」最前線 人気不変のメロンパンも劇的進化

バラエティ―豊かになったコンビニ袋パン(セブン店頭で)

バラエティ―豊かになったコンビニ袋パン(セブン店頭で)

 数あるコンビニ商品の中で、陽気が良くなってくると売り上げが伸びると言われるのがパン。特に持ち歩きしやすい「袋パン」は、アウトドアシーズンにピッタリなため、GW商戦も熱くなっている。今や売れ筋は、定番ばかりじゃない。大手3社、個性を出し始めたパン売り場をコンビニジャーナリストの吉岡秀子氏が取材した。

 * * *
 フランスパンに、くるみパン……香ばしい小麦の香りが漂ってきそうな店内。といっても、ベーカリーショップではない。ローソンがこの3月から始めたベーカリー新シリーズ「マチノパン」が並ぶ売り場だ。

「脱・コンビニ袋パン」を目指すローソンの「マチノパン」

「脱・コンビニ袋パン」を目指すローソンの「マチノパン」

 袋に入ったコンビニパンといえば、メロンパンやカレーパンなどが人気商品で、ヘビーユーザーは「袋パン好きなミドル世代」というのが業界の常識だ。それが最近、様子が違う。

 売り場をみると「マチノパン フランスパンのフレンチトースト2個入」(150円)や「マチノパン チーズ!チーズブール」(180円)など、おしゃれで独創的なネーミングのパンがずらり。

人気のフレンチトーストはジュワッと口に広がる優しい甘さ(ローソン)

人気のフレンチトーストはジュワッと口に広がる優しい甘さ(ローソン)

ゴーダチーズを中心に4種のチーズの風味が楽しめる(ローソン)

ゴーダチーズを中心に4種のチーズの風味が楽しめる(ローソン)

 以前から、通常の「ローソンベーカリー」や健康志向の「ナチュラルローソンブランド」など数種類のパンシリーズがあった。それなのに新しいシリーズを作ったのにはわけがあるという。中食商品本部の村田文子さんはこう話す。

「メイン客層の30~40代男女を主なターゲットに、さまざまなパンを作ってきましたが、お客様にヒアリングをすると『(パンが)代わり映えしない』『そもそも袋パンに期待していない』という意見もあったのです。改めて皆様に満足いただけるパンとは何かを考えました」

 市販のパン市場に目を移すと、約2兆7800億円と緩やかに拡大しているが、トレンドは「本格具材のパン」や「健康的な付加価値のあるパン」(2017年/富士経済調べ)。従来のコンビニパンのイメージとマッチしているとは言い難い。スタイリッシュな「マチノパン」シリーズを売り場に加えたのもうなずける。結果、トレンドに敏感な女性客の購入が目立ち、発売直後は売り上げが通常の約20%アップしたという。

しっとりとしたパン生地の中には粒あんがぎっしり(ローソン)

しっとりとしたパン生地の中には粒あんがぎっしり(ローソン)

 特に人気が高いのは、前出の「フランスパンのフレンチトースト2個入」。外側の香ばしさと中のもちっとした食感が絶妙だ。また、うす皮のあんぱん「マチノパン あんこ天国」(150円)もオススメ。パンなのかあんこの塊なのか、迷うほど大量の“あん量”は、甘党にはたまらない。

 こうした“脱・コンビニパン”路線が今、顧客の獲得に一役買っている。

関連記事

トピックス

球種構成に明らかな変化が(時事通信フォト)
大谷翔平の前半戦の投球「直球が6割超」で見えた“最強の進化”、しかしメジャーでは“フォーシームが決め球”の選手はおらず、組み立てを試行錯誤している段階か
週刊ポスト
参議院選挙に向けてある動きが起こっている(時事通信フォト)
《“参政党ブーム”で割れる歌舞伎町》「俺は彼らに賭けますよ」(ホスト)vs.「トー横の希望と参政党は真逆の存在」(トー横キッズ)取材で見えた若者のリアルな政治意識とは
NEWSポストセブン
ベビーシッターに加えてチャイルドマインダーの資格も取得(横澤夏子公式インスタグラムより)
芸人・横澤夏子の「婚活」で学んだ“ママの人間関係構築術”「スーパー&パークを話のタネに」「LINE IDは減るもんじゃない」
NEWSポストセブン
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁/時事通信)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
レッドカーペットを彩った真美子さんのピアス(時事通信)
《価格は6万9300円》真美子さんがレッドカーペットで披露した“個性的なピアス”はLAデザイナーのハンドメイド品! セレクトショップ店員が驚きの声「どこで見つけてくれたのか…」【大谷翔平と手繋ぎ登壇】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン