驚くことにファミリマート(以下ファミマ)の人気パンは、2社とはまた一味違う。オリジナルの菓子パン・惣菜パンを刷新して新ブランド「ファミマベーカリー」を立ち上げたのは1年半ほど前のこと。通常のパンと高い付加価値をつけたパンと、ラインアップを拡大させ、売り上げは好調だ。
約100種もある品ぞろえのうち、売れ筋トップ3は「大きいウインナー・あらびきチョリソーソーセージ・しっとりケーキ(チョコ)」。これだけ見るとセブンと同様、男性ファンが圧倒的なのではと思うだろうが、デリカ食品部の中川秀一さんによると、「女性の社会進出に伴い、家族で食べられ買い置きの利く、複数個商品が伸びている」そうだ。
複数個商品とは、「チョコチップスナック」や「なめらかクリームパン5個入り」、「なめらかチョコクリームパン 5個入り」(いずれも100円)など、いわゆるファミリーパックのようなパンのこと。
「リニューアルしてさらにおいしくしただけでなく、シールド乳酸菌入りなど健康訴求したメニューを増やしたところ、複数個入りのパンは2017年以降、20%前後のアップが続いています」(中川さん)
主婦層やシニア世代の来店が増えたことでパンにも“シェアニーズ”が高まってきた。加えて1袋100円前後とコスパがいいのもウケている理由だろう。
このように、三社三様になってきたコンビニ袋パン戦略だが、変わらないことがひとつある。「袋パン王はメロンパン」と、ローソン・セブン・ファミマが口を揃えたことだ。そこで、3社の2019年の新作メロンパンを見てみよう。