芸能

漁師役挑戦のEXILE TAKAHIRO、知らないおじさんと3時間釣り

TAKAHIRO 撮影/尾形正茂(SHERPA)

「役者としてターニングポイントとなった」という作品へ挑んだ思いを、時にユーモアを交えて語るあたりが、サービス精神旺盛なTAKAHIRO(34才)らしい。事故をきっかけに記憶を喪失した漁師・池田徹役で、役者として新境地を見せた映画・『僕に、会いたかった』(5月10日公開)。

 TAKAHIRO自身が「フィクションだけど、ドキュメントのような作品」と言うように、役柄の生き様をリアルに演じきっている。

 役作りのためにひげをたくわえた姿は、一見、TAKAHIROだとわからないほど。「男ウケはするんですけど、女性にはあんまりみたいで…」と笑い飛ばす中に、秘められた覚悟がにじむ。

「自分でも見たことがない顔だったので、いつも応援してくださっているファンのみなさんの期待を裏切る覚悟で別人格を演じられて楽しかったです」

 ひげはもちろん、漁師のイメージに合わせてヘアスタイルや体作りにもこだわったと言うが、「衣装合わせの時が、すごかった」と笑う。

「鉛筆みたいな細さのコテで髪をくるくるに巻かれて、行き過ぎた雰囲気になってしまって(笑い)。監督はいいって言ってくれたんですけど、自然ではなかったので、パーマをかけてきますと伝えました。

 実は、身体も鍛えていたんですけど、監督から『漁師さんは痩せマッチョが多いから、ちょっと大きすぎるな』と言われたので絞ったんです。そうしたら、本物の漁師さんはみんな体格が良くて、しかも小綺麗でしたし、やや監督に裏切られたなって(笑い)」

TAKAHIRO 撮影/尾形正茂(SHERPA)

 撮影は、島根県・隠岐島に約3週間滞在して行われた。

「コンビニも1つもないですし、商店も19時半には閉まる。でも全然、苦ではなかったですね。東京では何でもすぐに手に入る環境ですけど、逆に贅沢をさせてもらっているような気分でした。

 島の皆さんも優しくて、自分もそこに長く住んでいたかのような気持ちで演じられました。自分が本当にフラットに戻れる、第2の故郷のような場所になりましたね」

 雄大な海に囲まれた島では、ずっと釣りを楽しんでいたとか。

「よく釣れるんですよ(笑い)。ひげ面で長靴を履いて釣りをしていると、本当に正体がバレなくて。知らないおじさんといっしょに、2~3時間釣りをしたこともありました(笑い)」

 記憶を喪失した息子を支える、松坂慶子(66)演じる母親も印象的に描かれ、親子の絆について改めて問いかける。自身も親孝行について、考え直したと明かす。

「母は地元の長崎にいるんですけど、30才過ぎた今でも心配してくれるんです。そういう気持ちはちゃんと汲みたい。親孝行って、ただ会うだけでもいいし、食事を作ってもらうだけでもいいんじゃないかなと思います」

 役を通して得た経験は、音楽活動にも影響を与えた。

「例えば悲しいことがあっても明るくふるまったりすることがありますよね。今回の役ではそういう“引き算の芝居”が求められたんですけど、これはアーティスト活動にも生かせると思いました。悲しい曲を悲しく歌うだけではなくて、聴いてくださるかたに、その先をお任せするような表現をしていくことも大切だな…と。

 この映画では、今までぼくが見せたことがない、風貌や表情を見せているので、新たな女性ファンが増えたら嬉しい(笑い)。…と言うのは冗談で、ぼくのことを見るというよりも、ただ1つの素晴らしい作品を見たという感覚になっていただけたら成功です」

※女性セブン2019年5月9・16日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《総スカン》違法薬物疑惑で新浪剛史サントリー元会長が辞任 これまでの言動に容赦ない声「45歳定年制とか、労働者を苦しめる発言ばかり」「生活のあらゆるとこにでしゃばりまくっていた」
NEWSポストセブン
「第42回全国高校生の手話によるスピーチコンテスト」に出席された佳子さま(時事通信フォト)
《ヘビロテする赤ワンピ》佳子さまファッションに「国産メーカーの売り上げに貢献しています」専門家が指摘
NEWSポストセブン
王子から被害を受けたジュフリー氏、若き日のアンドルー王子(時事通信フォト)
《エプスタイン事件の“悪魔の館”内部写真が公開》「官能的な芸術品が壁にびっしり」「一室が歯科医院に改造されていた」10代少女らが被害に遭った異様な被害現場
NEWSポストセブン
香港の魔窟・九龍城砦のリアルな実態とは…?
《香港の魔窟・九龍城砦に住んだ日本人》アヘン密売、老いた売春婦、違法賭博…無法地帯の“ヤバい実態”とは「でも医療は充実、“ブラックジャック”がいっぱいいた」
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、インスタに投稿されたプライベート感の強い海水浴写真に注目集まる “いいね”は52万件以上 日赤での勤務をおろそかにすることなく公務に邁進
女性セブン
岐路に立たされている田久保眞紀・伊東市長(共同通信)
“田久保派”の元静岡県知事選候補者が証言する “あわや学歴詐称エピソード”「私も〈大卒〉と勝手に書かれた。それくらいアバウト」《伊東市長・学歴詐称疑惑》
NEWSポストセブン
2021年に裁判資料として公開されたアンドルー王子、ヴァージニア・ジュフリー氏の写真(時事通信フォト)
「少女を島に引き入れ売春斡旋した」悪名高い“ロリータ・エクスプレス”にトランプ大統領は乗ったのか《エプスタイン事件の被害者らが「独自の顧客リスト」作成を宣言》
NEWSポストセブン
東京地裁
“史上最悪の少年犯罪”「女子高生コンクリート詰め事件」逮捕されたカズキ(仮名)が語った信じがたい凌辱行為の全容「女性は恐怖のあまり、殴られるままだった」
NEWSポストセブン
「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路とは…(写真/イメージマート)
【1500万円が戻ってこない…】「高級老人ホーム」に入居したある70代・富裕層男性の末路「経歴自慢をする人々に囲まれ、次第に疲弊して…」
NEWSポストセブン
橋幸夫さんが亡くなった(時事通信フォト)
《「御三家」橋幸夫さん逝去》最後まで愛した荒川区東尾久…体調不良に悩まされながらも参加続けていた“故郷のお祭り”
NEWSポストセブン
麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン