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小沢一郎氏が語る「自自連立の内幕と小渕氏との最後の会談」

政変劇の真相が明かされる

 1998年、自民党は橋本龍太郎内閣が消費税増税で参院選に大敗、総辞職する。一方、新進党を解党した小沢一郎氏は自由党を結成。「平成おじさん」の小渕恵三氏が首相に就任すると、自民党は政権安定のため自由党との連立に動く。

 かつて小沢氏を「悪魔」と呼んだ官房長官の野中広務氏は「ひれ伏してでも」と発言し、小沢氏は小渕氏と「国会議員衆参50人ずつ削減」など9項目の政策協定を結んで1999年1月に自自連立政権が発足した。当時の舞台裏について、小沢氏がインタビューで明かした。(聞き手/武冨薫・ジャーナリスト)

──自民党離党の時に一度袂を分かった小渕と連立を組んだ理由は。

小沢:自由党の政策を丸飲みしたんです、自民党は。僕は今も詳細な資料を残してあるけど、政策協定に総裁、党五役が全員サインして安保の問題から何から全部オッケーって言うから、これだけの国策を根本的に変えることができるのであれば、連立も一つの手段だろうという思いでした。

 ところが、一緒になってみたら、全然やる気がない。「ああ、そうだ、自民党を甘く見てた」とすごく反省した(笑い)。小渕さんに掛け合いにも行きました。

──あなたは「自民党も自由党も解散して、新しい党をつくろう」と提案したという説がある。

小沢:それは大きな(政党再編の)話だけど、無理だというのなら、政策協定を実行しろと。そうでなければ連立の意味がないと僕は言って、ようやくクエスチョンタイム(党首討論)ができた。今残ってるのはあれ一つだけです。

〈自民党が公明党を連立に加えたことで自自の対立は決定的になる。運命の2000年4月1日、小沢は小渕に面談するも交渉は決裂し、連立離脱を伝える。その翌日に小渕は脳梗塞で倒れ、帰らぬ人となった〉

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