抗がん剤使用の分かれ目となるのは、「75歳以上かどうか」である。国立がん研究センターが2007年から2008年に同センターを受診した末期がん患者の登録データを解析したところ、75歳未満では、抗がん剤を使用した患者の方が、未使用の患者より生存期間が長かった。
ところが75歳以上になると生存期間に差は見られず、抗がん剤を使わなかった患者の中には、使った患者よりも半年以上長生きしたケースも見られた。
体力がない高齢者の場合、抗がん剤の副作用が薬効を上回ることはありうる。75歳を超えたら抗がん剤は避けたほうが賢明だ。
※週刊ポスト2019年5月31日号