一方で、亀山社長時代の2015年春に『スーパーニュース』から『みんなのニュース』に刷新したばかりの夕方の帯番組を、2018年春から『プライムニュース イブニング』、今春から『Live News it!』と2度も変えたことなどで、番組を変更し過ぎではないか、という声もあがっている。

「帯番組の頻繁な変更は目立つため、迷走しているように思われがちですが、全体を通して見れば、最近のフジは一時の最悪な状態からは抜け出している。ゴールデン帯でも2ケタの番組が増えてきていますし、月9ドラマ『ラジエーションハウス』は5月13日に13.2%を記録するなど初回から2ケタを維持しています。一時は2ケタ視聴率が週に数えるほどしかなく、民放4位が定位置になっていましたが、最近は3位に上がる日も珍しくありません」

 視聴率が少しずつ上向いている時期の社長交代。宮内氏が75歳の高齢であることも1つの理由だろう。過去のフジテレビ社長を振り返ると、就任時は60歳前後で、今回の遠藤氏も6月に63歳を迎える。では、他の候補もいる中で、なぜ遠藤氏が社長に指名されたのか。

「広報部長も経験している遠藤新社長はマスコミ受けもよく、対外的な調整力が高い。調子の良い時代のフジテレビらしい社員で、社長みずから局の宣伝部長になれるような人でもある。

 また、遠藤氏は編成局に長く在籍しており、編成に権限を持たせて改革を進めてきた宮内氏の路線をスムーズに受け継げる。社長になると、いろんなことをイジりたがりますが、改編すべき番組は宮内氏がほぼ断行しているので、遠藤氏は落ち着いて番組を育てていくはず。フジの黄金期も低迷期も知っているので、動かないことの効用を知っているし、今はその方が良いと判断できる人です」

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