「慰安婦問題」でも「徴用工」でも反日を先鋭化させている
「野党・正義党の秋惠仙(チュ・ヘソン)議員も、先の慰安婦合意は“第二の日韓併合”であるとし、野党3党の26人を代表して、2016年8月30日に『日本政府による慰安婦財団への拠出金10億円の受領を拒否し、慰安婦像撤去要求を拒絶する決議案』を国会に提出しています。
さらに無所属の孫今柱(ソン・クムジュ)議員は、2016年8月29日の記者会見で、『慰安婦合意を結んだ韓国政府(当時は朴槿恵政権)は、元慰安婦と国民に謝罪して、慰安婦合意を破棄しなければならない。それが私たちの歴史を正しく立て直す最小限の道理だ』と語っています」(韓国政治に詳しい専門家)
議員団のおよそ半数が、日韓政府間の合意をことごとく批判し、韓国国内の“反日的感情”を煽るような主張や活動を繰り返してきたというのだ。日本側としても、そうした主義や主張を持つ韓国の国会議員らを相手に、関係改善のための建設的な議論をするのは難しいように思える。
『韓国「反日フェイク」の病理学』の著書がある韓国人作家の崔碩栄氏は、今回来日した韓国議員団について、次のように分析する。
「今回の韓国議員たちは特別に反日的というわけではなく、“普通の議員”です。韓国ではこれが一般的。
本当の問題は、彼らが目的も名分もあまり深く考えずに、来日したのではないかということです。石原議員が『おいでになった目的は何ですか?』と言い放っているのが象徴的で、韓国側は事前に通告も調整もせず、交渉の材料も何も持たず、突撃面談してきたように見える。『日本にひと言文句を言ってやる』程度の軽い気持ちで来ていて、今の日韓関係の危機的状況を理解していないのではないか」(崔氏)
日本側がこれまでにないレベルで韓国との関係を見直そうとしていることに、まだ気づいていないというのだ。そろそろ韓国側が現在の状況を認識しないと、日韓関係は取り返しのつかない事態になりかねない。
●取材・文/清水典之(フリーライター)