◆海外で「スーパープレミアム」に
──高島さんは、よく「ビジネスは大勝ちしなくてもいい」とか「企業は一気に拡大するよりジワジワ伸びていくほうが望ましい」と発言していますね。
高島:私が参考にさせてもらっているのは、寒天などを製造する食品メーカーである伊那食品工業(本社=長野県)の掲げる、長期視点で安定成長を目指す“年輪経営”です。
伊那食品工業さんと接点を持ったのは4年前、ポッカサッポロフード&ビバレッジの専務の頃でした。先方の寒天材料の取引でご縁があり、「ユニークで素晴らしい会社だな」と思い、こちらから伺わせていただいたのが始まりです。伊那食品の塚越寛会長(今年2月から最高顧問)は、私の師だと思っています。
──トヨタ自動車の豊田章男社長やモスフードサービスの櫻田厚会長も“塚越信奉者”として知られている。
高島:特に我々は同じ食品業界ですから、「会社はゆっくり成長するのが理想」という教えにはハッとさせられることがたくさんあります。私も“何かで一発当てて大逆転”みたいなことは、あまり考えてはいけないと思っていますから。
もちろん、大ヒット商品が出ればそれに越したことはありません。ただ、自分たちの力で地道にブランドを磨き、その過程で社員も成長し、企業としてのサッポロの力がジワジワ上がっていく──こんなチームの方が環境変化にも強いと考えています。