──令和時代のサッポロビールの課題は?

高島:大きくは2つあります。ひとつは本社主導でなく、もっと現場から変革や改革の知恵が上がってくる社風にしていくこと。そして社員個人が自ら課題を掘り起こし、行動目標を掲げてほしいということです。

 それができると、多くのことが自己責任に変わります。上からの命令に従うだけなのとは、やり遂げたときの達成感がまるで違います。その達成感を味わってほしいからこそ、「自分が源泉だよ、やらされ仕事はつまらないよ」と、ことあるごとに社内で説いているんです。

 もう一点は、海外展開をより一層加速させること。昨年10月からは、中国で本格的に市場参入しました。中国でアンハイザー・ブッシュ・インベブをパートナーとし、「サッポロプレミアムビール」の市場浸透に取り組んでいます。

 彼らは「コロナ」「ステラ・アルトワ」「ヒューガルデン」というハイエンドビールを持っていますが、そこに「サッポロプレミアムビール」が組み込まれます。プレミアムビールを超える、スーパープレミアムブランドとして世界的に認知される活動を展開しています。

 日本国内だけでなく、世界でも量より品質価値で勝負していきます。

【PROFILE】たかしま・ひでや/1959年、福島県生まれ。東北大学農学部卒業後、1982年にサッポロビール入社。2007年仙台工場長、2012年北海道本部長、2015年ポッカサッポロフード&ビバレッジ専務取締役執行役員、2017年1月より現職。

●聞き手/河野圭祐(かわの・けいすけ)/1963年、静岡県生まれ。ジャーナリスト。経済誌編集長を経て、2018年4月よりフリーとして活動。流通、食品、ホテル、不動産など幅広く取材。

※週刊ポスト2019年6月7日号

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