国際情報

中国一人っ子政策終了で異変、妻の姓名乗る子供増える

宗教への取り締まりが厳しくなっている

一人っ子政策の影響が現れ始めた

 中国では、夫婦は別姓が普通だが、生まれた子供は夫の姓を名乗ることが習慣化している。しかし、昨年の中国上海市における昨年の新生児数約9万人のうち、夫の姓を付けたのは91.2%で、8.8%の子供は妻の姓を名乗っていることが分かった。

 これは2015年10月末、中国政府がこれまでの一人っ子政策を終了させることを発表し、すべての夫婦が2人目の子どもをもつことを認めた影響で、第2子に妻の姓を名乗らせる家庭が増えたようだ。また、上海市のもつ革新性や経済的な豊かさも背景にあるとみられる。香港の英字紙「サウスチャイナ・モーニング・ポスト」が報じた。

 上海市政府人口管理センターによると、これまでの調査では、同市の新生児はほぼ100%が夫側の姓を名乗っており、8.8%の新生児が妻側の姓を名乗る事態となったのは昨年が初めてだという。また、夫婦の二人の姓を名乗る新生児も全体の2.5%だった。

 これについて、10歳の長男をもち、第2子に自分の姓をつけた43歳の上海市在住の女性は、その理由について「実家の父のたっての希望で、夫の実家のご両親にも話をして了解してもらいました」と同紙に話している。

 ただ、上海で子供の8.8%が妻の姓を名乗っていることについて、首都師範大学の黄琳研究員は同紙に「ほかの都市からみれば、上海市の8.8%は極めて高い数字だといえます。なぜならば、中国ではまだ男尊女卑や男系家庭優先という風潮が根強く残っているからです」と指摘する。

 中国紙「中国青年報」が昨年、中国全土の2037人に行った聞き取り調査では、全体の54.7%が妻側の姓を新生児につけることについて反対の回答を寄せたという。内陸部の四川省の男性は「夫側の姓には数千年の歴史がある。そのような長い伝統は守られてしかるべきだ」と答えている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

愛子さま(写真/共同通信社)
《中国とASEAN諸国との関係に楔を打つ第一歩》愛子さま、初の海外公務「ラオス訪問」に秘められていた外交戦略
週刊ポスト
「アスレジャー」の服装でディズニーワールドを訪れた女性が物議に(時事通信フォト、TikTokより)
《米・ディズニーではトラブルに》公共の場で“タイトなレギンス”を普段使いする女性に賛否…“なぜ局部の形が丸見えな服を着るのか” 米セレブを中心にトレンド化する「アスレジャー」とは
NEWSポストセブン
「高市答弁」に関する大新聞の報じ方に疑問の声が噴出(時事通信フォト)
《消された「認定なら武力行使も」の文字》朝日新聞が高市首相答弁報道を“しれっと修正”疑惑 日中問題の火種になっても訂正記事を出さない姿勢に疑問噴出
週刊ポスト
地元コーヒーイベントで伊東市前市長・田久保真紀氏は何をしていたのか(時事通信フォト)
《シークレットゲストとして登場》伊東市前市長・田久保真紀氏、市長選出馬表明直後に地元コーヒーイベントで「田久保まきオリジナルブレンド」を“手売り”の思惑
週刊ポスト
ラオスへの公式訪問を終えた愛子さま(2025年11月、ラオス。撮影/横田紋子)
《愛子さまがラオスを訪問》熱心なご準備の成果が発揮された、国家主席への“とっさの回答” 自然体で飾らぬ姿は現地の人々の感動を呼んだ 
女性セブン
26日午後、香港の高層集合住宅で火災が発生した(時事通信フォト)
《日本のタワマンは大丈夫か?》香港・高層マンション大規模火災で80人超が死亡、住民からあがっていた「タバコの不始末」懸念する声【日本での発生リスクを専門家が解説】
NEWSポストセブン
東京デフリンピックの水泳競技を観戦された天皇皇后両陛下と長女・愛子さま(2025年11月25日、撮影/JMPA)
《手話で応援も》天皇ご一家の観戦コーデ 雅子さまはワインレッド、愛子さまはペールピンク 定番カラーでも統一感がある理由
NEWSポストセブン
山上徹也被告(共同通信社)
「金の無心をする時にのみ連絡」「断ると腕にしがみついて…」山上徹也被告の妹が証言した“母へのリアルな感情”と“家庭への絶望”【安倍元首相銃撃事件・公判】
NEWSポストセブン
被害者の女性と”関係のもつれ”があったのか...
《赤坂ライブハウス殺人未遂》「長男としてのプレッシャーもあったのかも」陸上自衛官・大津陽一郎容疑者の “恵まれた生育環境”、不倫が信じられない「家族仲のよさ」
NEWSポストセブン
11月24日0時半ごろ、東京都足立区梅島の国道でひき逃げ事故が発生した(読者提供)
《足立暴走男の母親が涙の謝罪》「医師から運転を止められていた」母が語った“事件の背景\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\\"とは
NEWSポストセブン
大谷翔平が次のWBC出場へ 真美子さんの帰国は実現するのか(左・時事通信フォト)
《大谷翔平選手交えたLINEグループでやりとりも》真美子さん、産後対面できていないラガーマン兄は九州に…日本帰国のタイミングは
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
「週刊ポスト」本日発売! 習近平をつけ上がらせた「12人の媚中政治家」ほか
NEWSポストセブン