6年前、新浪氏は「これからは、ドラッグストアや調剤薬局がローソンに看板替えすることもあるかもしれない」と、コンビニ大手のスケールメリットを活かし、自陣営に巻き込んでいく構えも見せていた。
ローソンは調剤薬局大手のクオールホールディングスに3.3%出資し、介護拠点併設型の共同出店も行い、こうした「ケアローソン」の100店舗展開も掲げてはいる。一方で、コンビニのライバルとして勢力を伸ばしてきたドラッグストアは、イオンの子会社、ウエルシアホールディングスとイオンが筆頭株主のツルハホールディングスが両雄だった。
が、ここへきて、ココカラファイン争奪戦にスギホールディングスとマツモトキヨシホールディングスが名乗り上げ、場合によっては3社統合というウルトラCの下克上観測も出ている。ドラッグストアは医薬品や化粧品で稼ぎ、食品や飲料は激安を売りに集客するのが基本モデルだけに、より低価格を実現するための規模拡大に走り始めたともいえる。
目下、24時間営業問題やフランチャイズビジネスの在り方で揺れるコンビニ業界にあって、ローソンも、ドラッグストアなど異業種との戦いを含めた、全方位の総力戦に挑まなければならない。再度、キャッチフレーズの立てつけを「マチのほっとステーション」に戻したのは、その決意表明のようにも映る。