今回、キャッチフレーズを元の「マチのほっとステーション」に戻した点について、ローソン幹部はこう説明する。
「健康に関わる取り組みはこれまで通り強化していきますが、同業異業種問わず、広くいろいろな企業が健康基軸の商品やサービスを打ち出し、ことさら“健康”の文字を入れて強調するまでもないという判断が大きいですね。あとは、“マチの健康ステーション”という響きで、『病院ですか?』と捉える方もいらっしゃるかもしれないですし」
ローソンは、大豆粉や小麦ふすま(小麦の外皮)を使用した低糖質の「ブランパン」や「グリーンスムージー」といった、健康志向のヒット商品も世に送り出してきたが、類似商品も数多く出て、“健康コンビニ”宣言をしてから6年近く経過したいま、「健康関連市場はブルーオーシャンだ」(新浪氏)としていた当時の状況からレッドオーシャン化してきている。最近では、食品業界で乳酸菌市場の争奪戦が激しくなっているのもその一例だ。
また、世界的な潮流としても、タバコの次にアルコールが規制強化となる機運が盛り上がりつつあり、砂糖の規制強化もしかり。それゆえ、飲料の巨人コカ・コーラも大きな転機に立たされている。そういう意味では、健康のキーワードは至るところで日常風景化し、ことさらに強調するまでもなくなってきているのは事実だ。