国内

豊胸手術が招くトラブル例、リスク避ける検診方法

豊胸したのは「若気の至り」と話す(撮影/稲葉信彦)

「全国美容医療実態調査報告書」(2018年・一般社団法人日本美容外科学会)によると、1年間で行われた豊胸手術数は1万1486件。胸を大きくきれいに見せたいという女性たちの願望は、かなえられる時代になった。医療の進化で身近になった豊胸手術だが、その医療業界では今、重大なリスクに注目が集まっている。

 乳がんを患ったことをスポーツニッポン(7月10日付)の取材で告白したのは、作家でタレントの室井佑月(49才)。7月初旬に右胸に違和感が生じたという。触ってみるとしこりがあり、病院へ。ステージIの乳がんでリンパ節には転移していなかった。8月9日に右乳房の一部を摘出する手術を受ける予定だ。

「室井さんは糖尿病持ちのため3か月に1度の血液検査を受けていたものの、乳がんの検査であるマンモグラフィーは受けていませんでした。その理由について彼女は『若い頃に豊胸手術をして、乳房の下に生理食塩水を入れたから、検査が受けられなかった』と明かしたのです」(スポーツ紙記者)

◆日本国内でも初めてリンパ腫発症報告が

 豊胸手術が招くトラブルは、これまでも多くの報告がある。2011年には、フランスのポリー・アンプラン・プロテーズ社が製造した豊胸用シリコンバッグが破裂する恐れがあるとして、仏保健省がシリコンを摘出するよう勧告。同社のシリコン使用者は世界65か国以上、約50万人に達していたため世界中で騒動となった。

 同年には同社のシリコンバッグを使って手術したフランス人女性が、血液のがんの一種である「未分化大細胞型リンパ腫」で死亡した。

 今年6月には、がんで切除した乳房の再建や豊胸手術などで使う「ゲル充填人工乳房」が原因とみられる「未分化大細胞型リンパ腫」の症例が日本国内で初めて報告され、厚生労働省は医療機関に対し、情報共有の徹底を促した。

 この患者は17年前に当時未承認だった人工乳房を入れる手術を受け、現在もリンパ腫の治療中だという。ナグモクリニック総院長で乳腺専門医の南雲吉則さんが言う。

「人工乳房としてシリコンを入れたまま長年放置すると、周囲の組織にリンパ腫が発症するリスクが指摘されます。国内の症例は1件のみですが、人工乳房の周囲に腫れや痛みなどがあれば、念のため受診してほしい」

関連キーワード

関連記事

トピックス

筋金入りのビートルズファンだという水卜麻美アナ
水卜麻美アナ、中村倫也と結婚でも“日テレ愛”を貫けるか フリー転身の現実味
NEWSポストセブン
清原和博氏(右)と次男の勝児内野手
清原和博氏、次男・勝児の甲子園デビューで驚いた「PL野球と慶応野球の違い」
週刊ポスト
旧NHK党党首の立花孝志氏(左)とガーシーこと東谷義和氏(筆者撮影)
【ドバイに集うクセモノ日本人】ガーシーが最長10年居住できる「ゴールデンビザ」を取得した経緯
週刊ポスト
今季のメジャーリーグでのプレーは大丈夫?(写真/EPA=時事)
2009年のイチローは開幕間に合わず…WBCメジャー組「それぞれの難局」大谷翔平は大丈夫か
週刊ポスト
“禁断の生共演”で何が語られるのか
中村倫也、水卜麻美アナと“禁断の生共演”もファンから反感ゼロ「お似合いすぎて納得するしかない」
NEWSポストセブン
岡田阪神へプロ野球記者たちも期待(時事通信フォト)
【プロ野球記者座談会】WBC後のシーズンで岡田阪神に高まる期待と侍J中野拓夢への不安要素
週刊ポスト
恒例のように「フリー転身」が噂される日本テレビの水卜麻美アナだが…
《夫婦で幸せ生報告》水卜麻美アナ電撃結婚で心配される『DayDay.』黒田みゆアナにのしかかる新番組のプレッシャー
NEWSポストセブン
水卜麻美アナと電撃婚の中村倫也、「絶対に彼の良さは伝わる」事務所社長が信じ続けた俳優としての才能
水卜麻美アナと電撃婚の中村倫也、「絶対に彼の良さは伝わる」事務所社長が信じ続けた俳優としての才能
NEWSポストセブン
“体に入れるもの”にこだわっていた道端ジェシカ(時事通信フォト)
カエル毒、粘土を使って…道端ジェシカ容疑者「薬物逮捕」で注目される“特殊な健康志向”
週刊ポスト
不倫疑惑も報じられた篠田麻里子
《離婚成立》篠田麻里子、不倫疑惑で「地元福岡ドラマ」の出演が見送りになっていた 始球式務めたホークスとも離別
NEWSポストセブン
岩田絵里奈アナと結婚発表の水卜麻美アナ
日テレ・水卜麻美アナの電撃結婚の背景にあった「岩田絵里奈アナの“左遷人事”」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 「夫婦の年金」「家族の相続」必勝法ほか
「週刊ポスト」本日発売! 「夫婦の年金」「家族の相続」必勝法ほか
NEWSポストセブン