ライフ

家族に見られたくないネットサービス 死後の対策は?

パスワードを入れる場面は多い(AFLO)

 被害者数約1500人、被害総額は約3200万円(7月11日時点)にのぼるスマホ決済サービス「セブンペイ」不正アクセス事件。「不正アクセスされるケース」の例として「ログインID・パスワードが分かりやすいことが挙げられていた。苦労して安全なパスワードを再設定しても、パスワードについて、高齢者ならもう一つ気になるのが、“自分が死んだ後”のことである。いまやネットサービスの退会も、大事な「死後の手続き」なのだ。ITライターの小野均氏が解説する。

「故人が生前持っていたアカウントのパスワードが分からず、遺された家族が解約の手続きをしようとしてもできないというケースはよくあります。銀行口座やクレジットカードさえ凍結されれば、課金制サービスで課金され続けるという心配はないと思います。が、解約しないままだと個人情報がずっとネット上に残ることになり、それが流出して家族に迷惑がかかる可能性もあるので、基本的には家族に解約手続きをしてもらえるよう、自分が持っていたアカウントとパスワードを一覧にして、やはりメモにして残しておいたほうがいいでしょう」

 しかしパスワードを残してしまうと、解約するために家族がログインした際に「中身」を見られてしまう。メールやSNSの文面、あるいはアダルトサイトなどは、自分が死んだ後も家族には知られたくないはず。その場合はどうすればいいのか。

「多くのメールやSNSは、運営する会社に家族が死亡診断書などの必要書類を提出すれば、故人のアカウントにログインしなくても解約できます。グーグルやマイクロソフトのメールサービスであれば一定期間アクセスがなければ自動的にアカウントが凍結されたり削除されるので、放置してしまってもいいかもしれません。

 アダルトサイトに関しては“死んだら運営会社に連絡してね”と頼むわけにもいかないでしょうから、どうしても家族に知られたくなければ、自分の意識があるうちに自分で退会しておくしかないでしょう」(同前)

 令和時代の充実した人生は、安全なパスワードとともにある。

どんなパスワードが危ない?

※週刊ポスト2019年8月2日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

ブラジルを公式訪問されている秋篠宮家の次女・佳子さま(2025年6月4日、撮影/JMPA)
「佳子さまは大学院で学位取得」とブラジル大手通信社が“学歴デマ報道”  宮内庁は「全報道への対応は困難。訂正は求めていません」と回答
NEWSポストセブン
花田優一が語った福田典子アナへの“熱い愛”
《福田典子アナへの“熱い愛”を直撃》花田優一が語った新恋人との生活と再婚の可能性「お互いのリズムで足並みを揃えながら、寄り添って進んでいこうと思います」
週刊ポスト
生成AIを用いた佳子さまの動画が拡散されている(時事通信フォト)
「佳子さまの水着姿」「佳子さまダンス」…拡散する生成AI“ディープフェイク”に宮内庁は「必要に応じて警察庁を始めとする関係省庁等と対応を行う」
NEWSポストセブン
麻辣湯を中心とした中国発の飲食チェーン『楊國福』で撮影された動画が物議を醸している(HP/Instagramより)
〈まさかスープに入れてないよね、、、〉人気の麻辣湯店『楊國福』で「厨房の床で牛骨叩き割り」動画が拡散、店舗オーナーが語った実情「当日、料理長がいなくて」
NEWSポストセブン
まだ重要な問題が残されている(中居正広氏/時事通信フォト)
中居正広氏と被害女性Aさんの“事案後のメール”に「フジ幹部B氏」が繰り返し登場する動かぬ証拠 「業務の延長線上」だったのか、残された最後の問題
週刊ポスト
50歳で「アンパンマン」を描き始めたやなせたかし氏(時事通信フォト)
《巨大なアンパンマン経済圏》累計市場規模は約6.6兆円…! スパイダーマンやバットマンより稼ぎ出す背景に「ミュージアム」の存在
NEWSポストセブン
保護者を裏切った森山勇二容疑者
盗撮逮捕教師“リーダー格”森山勇二容疑者在籍の小学校は名古屋市内で有数の「性教育推進校」だった 外部の団体に委託して『思春期セミナー』を開催
週刊ポスト
遠野なぎこ(本人のインスタグラムより)
《ブログが主な収入源…》女優・遠野なぎこ、レギュラー番組“全滅”で悩んでいた「金銭苦」、1週間前に公表した「診断結果」「薬の処方」
NEWSポストセブン
新宿・歌舞伎町で若者が集う「トー横」
虐待死の事例に「自死」追加で見えてきた“こどもの苛烈な環境” トー横の少女が経験した「父親からの虐待」
NEWSポストセブン
京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”とは(左/YouTubeより、右/時事通信フォト)
《芸舞妓を自宅前までつきまとって動画を回して…》京都祇園で横行するYouTuberによる“ビジネス”「防犯ブザーを携帯する人も」複数の被害報告
NEWSポストセブン
ホストクラブや風俗店、飲食店のネオン看板がひしめく新宿歌舞伎町(イメージ、時事通信フォト)
《「歌舞伎町弁護士」のもとにやって来た相談者は「女風」のセラピスト》3か月でホストを諦めた男性に声を掛けた「紫色の靴を履いた男」
NEWSポストセブン
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
「週刊ポスト」本日発売! 万引き逮捕の350勝投手が独占懺悔告白ほか
NEWSポストセブン