ライフ

猫の熱中症は室内での発症が多い、その症状や対処法

猫の平熱は37.5~39度前半で、40度を超えると熱中症と診断される。症状が進行するとけいれんを起こし、最悪死に至ることも(Ph:Getty Images)

 そろそろ梅雨も明け、本格的な夏がやってくる。連日、真夏日が続くこの時期は、人間だけでなく猫だって「熱中症」に注意が必要だ。そこで、猫における熱中症の症状や、もしなってしまった時の対処法などについて紹介する。

 熱中症とは、体温が上がりすぎたり、体内の水分が不足して、体温をうまく下げられず、全身の機能が低下した状態のこと。猫の平熱は37.5~39℃前半で、40℃を超えると熱中症と診断される。症状が進行するとけいれんを起こし、最悪死に至ることもある。

 ペット保険会社のアイペット損害保険が犬や猫を飼っている1114人を対象に行った「犬と猫の熱中症に関する調査」(2018 年8月発表)によると、約2匹に1匹が熱中症と疑われる症状を発症した経験があるという。

「祖先が砂漠地帯に住んでいた猫は、犬より暑さに強いですが、近年の異常な暑さは猫にとっても脅威です。猫も熱中症になると心得ておいた方がいいでしょう」

 と、JVCC二次動物医療センター目黒病院センター長の佐藤貴紀さんは指摘する。

 さらに、知っておきたいのが熱中症を発症しやすい場所だ。散歩中など、日差しの影響を受ける屋外で起きやすいと思われがちだが、実は室内で発生する方が多いという。

 実際、前述の調査結果でも、熱中症を発症した状況の1位が「家の中で留守番中」、次いで2位が「家の中で一緒にいる時」だった。

◆ペット用の涼感アイテムもおすすめ

 熱中症になると、主に以下のような症状があらわれる。

●体温が上がる
●食欲がなくなる
●ぐったりして元気がない
●よだれを垂らす
●ハァハァと呼吸が荒くなる
●下痢や嘔吐がある

「熱中症が疑われるような症状に気づいたら、まずは風通しのよい涼しい場所で休ませましょう。そして、意識があり自力で水が飲める状態であれば、水を飲ませます。反対に意識がなかったり、自力で水が飲めない場合は、首や足の付け根など大きな血管の通る場所にタオルなどで包んだ保冷剤を当てて体を冷やします。いずれの場合も素早く処置をし、できるだけ早く動物病院で診てもらいましょう」(佐藤さん・以下同)

 では、熱中症にならないために、どう対策をとればいいのか。

「大事なのは水分補給です。水分を摂ることで体温を下げ、脱水症状を防ぎます」

 水飲み場は数か所用意し、いつでも水分が摂れる環境を整えること。とはいえ、もともと猫は水を積極的に飲まないので、水分を含むウエットタイプのエサにしたり、ドライフードに水分を入れてふやかすなど、自然と水分を摂れるようにする工夫も必要だ。

 室内の環境も併せて整えること。室温は24〜25℃、湿度は50〜60%を目安にし、留守中もエアコンはつけたままにしておこう。さらに、最近では、猫用の冷たい感触のマットなども販売されているので、そういったアイテムを活用するのもおすすめだ。

 暑さが体にこたえるのは人間も猫も同じ。室内での暑さ対策こそ、忘れてはいけない。

※女性セブン2019年8月8日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

「第65回海外日系人大会」に出席された秋篠宮ご夫妻(2025年9月17日、撮影/小倉雄一郎)
《パールで華やかさも》紀子さま、色とデザインで秋を“演出”するワンピースをお召しに 日系人らとご交流
NEWSポストセブン
立場を利用し犯行を行なっていた(本人Xより)
【未成年アイドルにわいせつ行為】〈メンバーがみんなから愛されてて嬉しい〉芸能プロデューサー・鳥丸寛士容疑者の蛮行「“写真撮影”と偽ってホテルに呼び出し」
NEWSポストセブン
2024年末、福岡県北九州市のファストフード店で中学生2人を殺傷したとして平原政徳容疑者が逮捕された(容疑者の高校時代の卒業アルバム/容疑者の自宅)
「軍歌や歌謡曲を大声で歌っていた…」平原政徳容疑者、鑑定留置の結果は“心神耗弱”状態 近隣住民が見ていた素行「スピーカーを通して叫ぶ」【九州・女子中学生刺殺】
NEWSポストセブン
佳子さまを撮影した動画がXで話題になっている(時事通信フォト)
《佳子さまどアップ動画が話題》「『まぶしい』とか『神々しい』という印象」撮影者が振り返る “お声がけの衝撃”「手を伸ばせば届く距離」
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(左/共同通信、右/公式サイトより※現在は削除済み)
《“やる気スイッチ”塾でわいせつ行為》「バカ息子です」母親が明かした、3浪、大学中退、27歳で婚約破棄…わいせつ塾講師(45)が味わった“大きな挫折
NEWSポストセブン
池田被告と事故現場
《飲酒運転で19歳の女性受験生が死亡》懲役12年に遺族は「短すぎる…」容疑者男性(35)は「学校で目立つ存在」「BARでマジック披露」父親が語っていた“息子の素顔”
NEWSポストセブン
個別指導塾「スクールIE」の元教室長・石田親一容疑者(公式サイトより※現在は削除済み)
《15歳女子生徒にわいせつ》「普段から仲いいからやっちゃった」「エスカレートした」“やる気スイッチ”塾講師・石田親一容疑者が母親にしていた“トンデモ言い訳”
NEWSポストセブン
9月6日に悠仁さまの「成年式」が執り行われた(時事通信フォト)
【なぜこの写真が…!?】悠仁さま「成年式」めぐりフジテレビの解禁前写真“フライング放送”事件 スタッフの伝達ミスか 宮内庁とフジは「回答は控える」とコメント
週刊ポスト
交際が報じられた赤西仁と広瀬アリス
《赤西仁と広瀬アリスの海外デートを目撃》黒木メイサと5年間暮らした「ハワイ」で過ごす2人の“本気度”
NEWSポストセブン
世界選手権東京大会を観戦される佳子さまと悠仁さま(2025年9月16日、写真/時事通信フォト)
《世界陸上観戦でもご着用》佳子さま、お気に入りの水玉ワンピースの着回し術 青ジャケットとの合わせも定番
NEWSポストセブン
秋場所
「こんなことは初めてです…」秋場所の西花道に「溜席の着物美人」が登場! 薄手の着物になった理由は厳しい暑さと本人が明かす「汗が止まりませんでした」
NEWSポストセブン
和紙で作られたイヤリングをお召しに(2025年9月14日、撮影/JMPA)
《スカートは9万9000円》佳子さま、セットアップをバラした見事な“着回しコーデ” 2日連続で2000円台の地元産イヤリングもお召しに 
NEWSポストセブン