◆「完全菜食主義バーガー」も?

──長期目標として「10年後までに3000店舗」を掲げている。これは現在のマクドナルド(約2900店)を上回る規模です。少子高齢化が急速に進むなか達成は難しいのでは?

櫻田:確かに従来の店舗のみでは難しいでしょう。今後は時代に即した新スタイルの店舗も展開していきます。

 まず、ごはんもののメニューを揃えた「モスカフェ」や、高級ハンバーガーレストラン「モスクラシック」「モスプレミアム」を増やしていく。メニューを最低限に絞り、少人数のスタッフで効率的に運営していく小型店舗も計画中です。現在、韓国で実証実験を行っています。

 多様化するニーズに合わせて商品やサービス、店舗形態を変えていくことで、3000店舗を達成したい。

──モスライスバーガーや、バンズの代わりにレタスで具材を包む「モスの菜摘」、インドのナンを使用した「ナンタコス」など、従来のハンバーガーの枠組みにとらわれない商品が魅力ですが、メニューの新展開は?

櫻田:商品についても同時に個性を強めていく。キーワードは「カスタマイズ」です。

 たとえばライスバーガーのサイズや、白米か玄米かを選べるようにする。通常のハンバーガーでも、バンズを全粒粉のものなど複数の種類から選べたり、お客様それぞれが独自の楽しみ方をして頂けるようにできないかと考えている。

 また、外国からのお客様が増えていることも踏まえて、海外のトレンドも取り入れていきます。たとえば、動物性食品を一切口にしない完全菜食主義者である「ビーガン」のお客様に対応する商品があってもいい。

 昨年もスペインに出張して痛感しましたが、日本は「食」に関して海外諸国に比べ進んでいる面が多い一方で、大きく遅れている面もあります。海外で得た知見をどんどんフィードバックしていきたいですね。

 具体的なアイディアは9月以降、本格化していく。特に来年以降は新たな取り組みをどんどん発表していきます。モスはなぜ、こんなことを考えたんだというくらいの発想の転換をやらないと。固定観念にとらわれない柔軟さを持ち続けることが、これからの一番の課題でしょうね。

【PROFILE】さくらだ・あつし/1951年東京都生まれ。1970年都立羽田高校卒業。父の急逝で大学進学を断念し広告代理店に入社。1972年、叔父(モスフードサービス創業者・櫻田慧)の誘いで「モスバーガー」創業に参画。1977年、モスフードサービスに入社。直営店勤務を経て、教育・店舗開発・営業などを経験。1990年、海外事業部長として台湾へ赴任、アジア進出の礎を作る。1998年に代表取締役社長就任、2014年より代表取締役会長を兼任、2016年より社長を譲り現職。

●聞き手/河野圭祐(ジャーナリスト):1963年、静岡県生まれ。経済誌編集長を経て、2018年4月よりフリーとして活動。流通、食品、ホテル、不動産など幅広く取材。

※週刊ポスト2019年8月9日号

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