ライフ

夏の西向き窓キッチンでの作業、エアコンつけないは自殺行為

“室内での熱中症”の恐ろしさとその対策とは?(イラスト/大窪史乃)

 今年は梅雨が長引き、日照不足が心配されるほど涼しい夏の始まりとなった。だからといって油断は禁物! 環境省のHPによれば、24~28℃と比較的過ごしやすい気温でも、熱中症による死亡事故が発生する可能性があるからだ(公財 日本スポーツ協会「スポーツ活動中の熱中症予防ガイドブック」2019より)。

 また、熱中症には湿度も関係しており、雨が降って湿度が100%の時は、気温が22℃でも熱中症予防指針が「警戒」を指す(日本生気象学会「日常生活における熱中症予防指針」Ver.3 2013 から)。

 日差しを遮る室内にいれば安心かといえばそんなこともなく、65才以上の女性熱中症患者の約7割が自宅で発症している(国立環境研究所が2016年2月に発表)。

 そこで今回は知られざる“室内での熱中症”の恐ろしさについて詳述する。京都府立大学特任講師・柴田祥江さんはこう言う。

「室内での熱中症を防ぐためには、日よけを設けるなど住宅面での対策も重要です。なぜなら、窓や壁などが日差しで温められると、その熱で室内が暑くなるからです」

 特に室内を暑くする要因が“西向きの窓”。夏期には南向きの窓に比べて3倍もの熱が入り込むという。

「西側に2m×2m程度の窓があり、日よけをしない場合、1000wの電気ヒーター2台分に匹敵する熱が室内に入り込みます。特に、西向きに窓がある台所で午後3~5時頃作業をすると、台所はかなりの暑さに。この環境でエアコンをつけず、窓を閉じ切って作業するのは自殺行為ともいえます」(柴田さん)

 西向きに窓がある場合に限らず、室内が暑い場合は、屋外にすだれなどの日よけを設置したり、換気扇を回すこと。また、扇風機を併用し、エアコンの冷気が各部屋に流れ込むようにするなどの工夫をしよう。

 夕方以降、外気温が下がってから窓を開けるのもおすすめだ。そもそも暑い時間帯に台所に立つのを避け、調理自体にかける時間を短くするのも熱中症対策になる。

【室内での熱中症対策】
□ すだれを活用する
□ 窓の開け方に工夫を
□ エアコンはがまんせずに使用する。
□ 扇風機も併用する。
□ 室内の温度・湿度を確認する。
□ 天井断熱、壁面断熱も効果的。
□ 外気温が下がったら換気・通風を。
□ 外気温が高い日中は窓を開けず、熱を室内に入れない。
□ 打ち水は夕方に行う。

※女性セブン2019年8月8日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

デコピンを抱えて試合を観戦する真美子さん(時事通信フォト)
《真美子さんが“晴れ舞台”に選んだハイブラワンピ》大谷翔平、MVP受賞を見届けた“TPOわきまえファッション”【デコピンコーデが話題】
NEWSポストセブン
指定暴力団六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)
《六代目山口組・司忍組長2月引退》“竹内七代目”誕生の分岐点は「司組長の誕生日」か 抗争終結宣言後も飛び交う「情報戦」 
NEWSポストセブン
部下と“ホテル密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(時事通信フォト/目撃者提供)
《前橋・小川市長が出直し選挙での「出馬」を明言》「ベッドは使ってはいないですけど…」「これは許していただきたい」市長が市民対話会で釈明、市議らは辞職を勧告も 
NEWSポストセブン
活動を再開する河下楽
《独占告白》元関西ジュニア・河下楽、アルバイト掛け持ち生活のなか活動再開へ…退所きっかけとなった騒動については「本当に申し訳ないです」
NEWSポストセブン
ハワイ別荘の裁判が長期化している
《MVP受賞のウラで》大谷翔平、ハワイ別荘泥沼訴訟は長期化か…“真美子さんの誕生日直前に審問”が決定、大谷側は「カウンター訴訟」可能性を明記
NEWSポストセブン
11月1日、学習院大学の学園祭に足を運ばれた愛子さま(時事通信フォト)
《ひっきりなしにイケメンたちが》愛子さま、スマホとパンフを手にテンション爆アゲ…母校の学祭で“メンズアイドル”のパフォーマンスをご観覧
NEWSポストセブン
維新に新たな公金還流疑惑(左から吉村洋文・代表、藤田文武・共同代表/時事通信フォト)
【スクープ!新たな公金還流疑惑】藤田文武・共同代表ほか「維新の会」議員が党広報局長の“身内のデザイン会社”に約948万円を支出、うち約310万円が公金 党本部は「還流にはあたらない」
NEWSポストセブン
部下と“ラブホ密会”が報じられた前橋市の小川晶市長(左・時事通信フォト)
《ほっそりスタイルに》“ラブホ通い詰め”報道の前橋・小川晶市長のSNSに“異変”…支援団体幹部は「俺はこれから逆襲すべきだと思ってる」
NEWSポストセブン
東京・国立駅
《積水10億円解体マンションがついに更地に》現場責任者が“涙ながらの謝罪行脚” 解体の裏側と住民たちの本音「いつできるんだろうね」と楽しみにしていたくらい
NEWSポストセブン
今季のナ・リーグ最優秀選手(MVP)に満票で選出され史上初の快挙を成し遂げた大谷翔平、妻の真美子さん(時事通信フォト)
《なぜ真美子さんにキスしないのか》大谷翔平、MVP受賞の瞬間に見せた動きに海外ファンが違和感を持つ理由【海外メディアが指摘】
NEWSポストセブン
柄本時生と前妻・入来茉里(左/公式YouTubeチャンネルより、右/Instagramより)
《さとうほなみと再婚》前妻・入来茉里は離婚後に卵子凍結を公表…柄本時生の活躍の裏で抱えていた“複雑な感情” 久々のグラビア挑戦の背景
NEWSポストセブン
兵庫県知事選挙が告示され、第一声を上げる政治団体「NHKから国民を守る党」党首の立花孝志氏。2024年10月31日(時事通信フォト)
NHK党・立花孝志容疑者、14年前”無名”の取材者として会見に姿を見せていた「変わった人が来るらしい」と噂に マイクを持って語ったこと
NEWSポストセブン