積極的にPTAに参加しようとする人々は圧倒的に少ないという。「エッセオンライン」が7月に公開したアンケート調査では、PTAを好意的に捉えている人は312人中わずか23人という結果が報告されている。
そんなPTAだが、新たな問題点として注視されているのが、その話題への過剰なタブー視だ。
今年4月、フジテレビの笠井信輔アナウンサー(56才)が「うちの妻が卒対委員(卒業対策委員会)をやっていたが、楽しかったと言っていた。みんな毛嫌いしすぎなんですよ」と朝の生放送番組で発言すると、瞬く間に炎上した。PTA問題に詳しいジャーナリストの大塚玲子さんはこう話す。
「“PTAは半強制的にやらされるもの”という共通認識が根強いため、『PTAは楽しい』と言うと、“だからあなたもやるべき”と受け取られやすい。ますます圧力を感じさせ、批判を集めることになる。この現状を改善するには、強制をやめて、『嫌々やる人』をなくす必要があります」
PTAにかかわる人々の間で反響を呼んでいる『PTAのトリセツ?保護者と校長の奮闘記?』(世論社)の著者の今関明子さんも、かつてはPTAの窮屈さに悩むひとりだった。長女が小4、双子の息子たちが小1の時、今関さんは本部役員に任命される。
そして、PTA活動を始めた今関さんが感じたのは、「母親たちの負い目」だった。
「ワーキングマザーやシングルマザー、介護中の母親や障害のある子供を持つ母親は、時間的な余裕こそないけど、PTAをほかの親御さんに任せっぱなしにすることに対しては負い目を抱いていた。それ以外のお母さんたちも、PTAに携わるのが嫌だというより、『こんなことできるだろうか』と不安を感じているのだとわかったんです。“だったら、PTAをもっと参加しやすいものに変えればいい”と考えました」(今関さん)