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ジョイフル、ライフ、クレディセゾン他、働き方改革の実践例

ワークシェアで家族の事情優先も(イラスト/こさかいずみ)

ワークシェアで家族の事情優先も(イラスト/こさかいずみ)

 政府がいわゆる「働き方改革」を推進させようとしているが、なかなか実行は難しいもの。今回紹介する4社は、法の施行に先駆けて働き方改革を進めてきた企業だ。現在の待遇に不満があるなら、こういう会社もあることを覚えておいてほしい。働き続けることへの“希望”になるかもしれない。

◆エス・アイ

「ワークシェアリング制なので、家の都合での欠勤や早退もしやすい」

 IT業務を行うエス・アイ(兵庫県)では、従業員約70人中66人が女性。1つの仕事をなるべく大勢の社員で分けるワークシェアリング制を取っており、現在は70人で50人分の仕事をシェアしている。そのため、一人ひとりが根を詰めて働く必要がなく、1日の勤務時間は1時間でもOKという自由出勤制が機能している。

 社員には正規・非正規の区分はなく、待遇は同一。賃金は業務や能力に応じて決まる時間給を取っており、その幅は1040~3200円。ここ数年は年に2回賃金を上げている。

 これらの制度のおかげで、仕事の精度は高く、会社の受注は増え、その利益は社員の時給に還元。好循環が定着している。

【エス・アイの最新事例「これを導入しました」】

 ●全社員一律、時間給制度で、福利厚生も同等
 ●8~18時までの間で7.75時間以内は出退勤が自由、残業不可
 ●定年を設けず、希望する限り働けるエイジフリー制度
 ●育児休業などに期間の定めを設けず、応相談など

【エス・アイの「現場の生声を聞きました!」】
「給料は勤務時間に比例するため、1時間しか勤務していない人がいても不満はありません。むしろ、授業参観や家庭訪問があっても、その時間だけ抜ける形で席を外し、終わったら会社に戻ったりなど、臨機応変に働けるのがありがたいです」(40代・正規社員)

◆クレディセゾン
 クレジットカード会社のクレディセゾンは、社員区分を撤廃し、全社員を正社員化した。有期雇用者(非正規雇用)約2200人が無期雇用の正社員となり月給制に。賞与や退職金を含め、福利厚生の恩恵も受けられるように。さらに、昇進昇格も可能なため、生活の安定だけでなく、キャリアの幅も拡大する。

【クレディセゾンの最新事例「これを導入しました」】
 ●「役割等級制度」を導入し、多様な人材が活躍できる環境を整備
 ●時間単位で年休が取れる
 ●フレックス勤務が可能

【クレディセゾンの「現場の生声を聞きました!」 】
「非正規社員の時は月収にバラツキがありましたが、正社員になって月給制になり、家計管理がしやすくなりました」(40代・正社員)
「定年までに仕事の幅をどう広げるか、選択肢が増えてやりがいが持てるように」(40代・正社員)

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