ビジネス

アマゾン巨大倉庫 男子トイレに「おむつは流すな」の張り紙

神奈川県小田原市に新設されたアマゾンジャパンの物流拠点(写真/共同通信社)

 日本市場を制圧した“巨大企業”の内実に迫るべく、ジャーナリストの横田増生氏は「東京ドーム4個分」の広さを誇るアマゾンの小田原物流センターに潜入した。注文された商品を倉庫から探し、梱包・出荷エリアに受け渡すピッキングという作業に時給1000円で従事した著者が目撃したのは、2000人ものアルバイトたちが置かれた過酷な労働環境だった。

 * * *
 アマゾンの小田原物流センターでは、9時ちょうどから朝礼がはじまる。アルバイトの大半は、遅刻を恐れ、5分前になるとあらかた集合している。リーダーの男性が、マイクを持って話す。

「昨日、川崎で左手を20針も縫う重大事故が発生しました」として、事故の模様の詳細と、どうすれば事故が防げるのかについて説明した。梱包時に、段ボールカッターで梱包材を強引に切ろうとしたため、カッターの先端部分が折れ、その勢いで梱包材を押さえていた左手を切って、縫ったという。

 そのあとで、「昨日の成績は、PTGの平均は81%でセッション率は80%でした。PTGとセッション率は、いずれも目標に達していませんので、目標を達成するよう努力して下さい」とつづけた。

 PTG(パーセンテージ・トゥ・ゴール=「次のピッキングまであと何秒」の指令をクリアした割合)はピッキングの目標値であるという説明は、アルバイトの初日に聞いていたが、セッション率とは何か。もちろん、こうした作業現場では、細かい説明を求められる雰囲気ではない。詰所に張り出された、前日のピッキングのランキング表を熱心に見ていた女性のアルバイトに訊いてみた。

「セッション率? 私もよく知らないのよ。このセンターの立ち上げ直後からずっと働いているんだけれど、一度も説明してもらったことはないわね」という返事だった。

関連記事

トピックス

前号で報じた「カラオケ大会で“おひねり営業”」以外にも…(写真/共同通信社)
中条きよし参院議員「金利60%で知人に1000万円」高利貸し 「出資法違反の疑い」との指摘も
NEWSポストセブン
昨年ドラフト1位で広島に入団した常広羽也斗(時事通信)
《痛恨の青学卒業失敗》広島ドラ1・常広羽也斗「あと1単位で留年」今後シーズンは“野球専念”も単位修得は「秋以降に」
NEWSポストセブン
中日に移籍後、金髪にした中田翔(時事通信フォト)
中田翔、中日移籍で取り戻しつつある輝き 「常に紳士たれ」の巨人とは“水と油”だったか、立浪監督胴上げの条件は?
NEWSポストセブン
二宮が大河初出演の可能性。「嵐だけはやめない」とも
【全文公開】二宮和也、『光る君へ』で「大河ドラマ初出演」の内幕 NHKに告げた「嵐だけは辞めない」
女性セブン
新たなスタートを切る大谷翔平(時事通信)
大谷翔平、好調キープで「水原事件」はすでに過去のものに? トラブルまでも“大谷のすごさ”を際立たせるための材料となりつつある現実
NEWSポストセブン
品川区で移送される若山容疑者と子役時代のプロフィル写真(HPより)
《那須焼損2遺体》大河ドラマで岡田准一と共演の若山耀人容疑者、純粋な笑顔でお茶の間を虜にした元芸能人が犯罪組織の末端となった背景
NEWSポストセブン
JR新神戸駅に着いた指定暴力団山口組の篠田建市組長(兵庫県神戸市)
【ケーキのろうそくを一息で吹き消した】六代目山口組機関紙が報じた「司忍組長82歳誕生日会」の一部始終
NEWSポストセブン
元工藤會幹部の伊藤明雄・受刑者の手記
【元工藤會幹部の獄中手記】「センター試験で9割」「東京外語大入学」の秀才はなぜ凶悪組織の“広報”になったのか
週刊ポスト
映画『アンダンテ~稲の旋律~』の完成披露試写会に出席した秋本(写真は2009年。Aflo)
秋本奈緒美、15才年下夫と別居も「すごく仲よくやっています」 夫は「もうわざわざ一緒に住むことはないかも」
女性セブン
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
森高千里、“55才バースデー”に江口洋介と仲良しショット 「妻の肩をマッサージする姿」も 夫婦円満の秘訣は「お互いの趣味にはあれこれ言わない」
女性セブン
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
【初回放送から38年】『あぶない刑事』が劇場版で復活 主要スタッフ次々他界で“幕引き”寸前、再出発を実現させた若手スタッフの熱意
女性セブン
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
【悠仁さまの大学進学】有力候補の筑波大学に“黄信号”、地元警察が警備に不安 ご本人、秋篠宮ご夫妻、県警との間で「三つ巴の戦い」
女性セブン