「横浜は観光都市。経済界の多くはカジノリゾートの建設に賛成だが、藤木会長がウンと言わない限り無理だと思っていた。しかし、林市長はドンの反対を承知で誘致を表明した。政権中枢にいる菅さんの力が地元でも藤木会長を上回ったということでしょう」
“ハマのドン”の交代である。
菅氏の勢いを見て米国企業も動いた。これまで誘致合戦で先行していたのは万博会場予定地の夢洲(ゆめしま)に「1兆円カジノ付きリゾート」建設をぶち上げている大阪だ。米国など海外の多くのカジノ運営会社が大阪進出を競い合っている。
だが、横浜が首都圏初の候補地として名乗りをあげると、大阪進出を目指していた米国のカジノ最大手ラスベガス・サンズ社のアデルソン会長は「東京と横浜に焦点をあて、大阪の統合型リゾート入札への参加は見送る」と横浜進出に方針を変えた。アデルソン氏はトランプ大統領の盟友で、日米首脳会談にも同席して安倍首相に日本のカジノ解禁を説いたとされる人物でもある。
横浜に強い追い風が吹き出した。
※週刊ポスト2019年9月13日号