ライフ

米大学が24年間追跡調査、血圧推移で分かった病気リスク

血圧推移と病気リスクのデータ

「日本で長期間継続した疫学研究は1961年に始まり現在も続く『久山町研究(*注)』が有名ですが、血圧の変化を長期にわたって追跡した調査はこれまでほとんどありませんでした。

 今回の調査が画期的な点は、中年期と高年期における血圧の推移が健康に与える影響を調べたことです。血圧のコントロールは健康長寿に欠かせませんが、今回の調査からは、“どんな人が、どの年代で、どのくらいの数値で血圧をコントロールすべきか”の答えが見えてきます」

【*注/福岡県糟屋郡久山町の約4800人の住民を対象とし、生活習慣病を中心に行なわれている疫学調査】

 24年間に及ぶ「血圧の履歴書」からは、「最近、血圧が高いから注意しなければ」といった“常識”だけでは見落としてしまう健康リスクが浮かび上がった。

◆降圧剤の飲みすぎで認知症に

 ジョンズ・ホプキンス大の研究チームが主な調査目的としたのは「血圧の変化」と「認知症」の関係だ。

 調査では、2011~2013年と2016~2017年の2回に分けて認知機能検査を実施。その結果、高年期に新規に認知症を発症したのは、4761人中516人だった。

 前出の5パターンに沿って100人あたりの認知症の発症率を検出すると、こんな結果が出た。

(1)正常→正常:1.31人
(2)正常→高血圧:1.99人
(3)高血圧→高血圧:2.83人
(4)正常→低血圧:2.07人
(5)高血圧→低血圧:4.26人

 つまり、高年期に高血圧だった(2)、(3)よりも、(5)の「高血圧だった人が高年期に低血圧になった」パターンが最も認知症リスクが高かったのである。

関連キーワード

関連記事

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
日本テレビの杉野真実アナウンサー(本人のインスタグラムより)
【凄いリップサービス】森喜朗元総理が日テレ人気女子アナの結婚披露宴で大放言「ずいぶん政治家も紹介した」
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン