一連の研究から判別できるのは、血圧コントロールを行なう時期の重要性だ。東京都健康長寿医療センター顧問の桑島巖医師が指摘する。
「中年期の高血圧には様々なリスクがあり、上が140mmHgを超えたら降圧剤治療を開始して血圧をコントロールすべきです。しかし自然と血圧が下がる高年期においても降圧剤を服用し続けると、逆に様々な健康リスクが増します。具体的には上の血圧が110mmHg以下になったら、主治医に相談して降圧剤を減らすべきです」
できるだけ薬に頼らないという方法も検討される。
「血圧が高めの人は、まず生活習慣を改善すべきです。禁煙と減塩に加えて、ストレスのない生活を心がけてほしい」(桑島医師)
血圧の長期変動を測ることの重要性を踏まえたうえで、桑島医師は「正しい測り方で計測しないと、治療方針を誤ってしまうので要注意」と指摘する。
「血圧は気温や精神状態の影響を受けやすく、起床してから少なくとも30分以上経ってから最低2度は測ってほしい。1度目は緊張で数値が上がりやすく、2度目の数値が本来の血圧に近くなります」
※週刊ポスト2019年9月20・27日号