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米大学が24年間追跡調査、血圧推移で分かった病気リスク

 一般的に、年齢を重ねるほど高血圧の傾向は強まり、医師からも血圧を下げるよう指導を受けることが増える。しかし、このデータからは「血圧を下げると認知症リスクが増す」という仮説が浮かび上がる。小林病院理事長の小林祥泰医師が語る。

「中年期に高血圧で動脈硬化を起こした人は、高年期の体重減や心機能低下などで血圧が低下した結果、血流をよくするための“圧力”がかけられなくなり、脳の血のめぐりが悪くなります。それが原因で脳の働きが低下して、認知症のリスクが増すと考えられます。つまり『加齢による低血圧が認知症を促進する可能性がある』と推察できます」

 前出・石原医師は、低血圧とアルツハイマー型認知症の関係に注目し、「認知機能の低下によって低血圧になるという推測もできる」と指摘する。

「今回の調査は被験者がどのタイプの認知症になるか明記していませんが、日本人に多いアルツハイマー型認知症は、アミロイドβというタンパク質が脳内に蓄積することで発症するとされます。アミロイドβは“脳のゴミ”と呼ばれ、蓄積すると脳の神経細胞の働きを低下させ、血圧を正常に維持する機能が衰えて低血圧になると考えられます」

 認知機能の低下と「降圧剤」の関係についても注目すべき結果が出た。今回の調査では、(5)「高血圧→低血圧」の被験者の95.9%が降圧剤を服用していた。内訳をみると、1錠も飲んでいない患者が8.2%だったのに対して、1錠服用が21.9%、2錠服用が26%だった。

「そして3錠以上飲んでいる人が44%と最も多かった。この状況は日本でも同様で、中年期の高血圧治療のため降圧剤を飲んでいた場合、高年期になって血圧が下がったのに漫然と服用し続けて“下げすぎ”になることがある。その状況が長く続くと、脳内血流が低下するなどして認知症を誘発するリスクがあります」(小林医師)

◆「40~50代に高血圧」だと…

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