しかしながら、比率は低いものの「自分が復帰する立場でも、復帰を受け入れる立場でも反対」と回答した人が7.4%いる点は無視できない。働く主婦層以外の属性では、もっと比率が高い可能性もある。フリーコメントに寄せられたのは、以下のような声だ。
「一度、辞める気持ちを持った職場は、また何かあると辞めたくなると思う」
「嫌で辞めている会社には戻らない。復帰も興味なし」
「一度辞めたと言う事はどのような理由にせよ、そこに居られなかった何かがあるのであろう」
「退職の仕方にもよると思う。自分の意思で退職して復帰となるなら反対」
その他、一言、「あり得ない」というコメントもあった。
これまでの日本の企業文化は、新卒で採用された会社で定年まで勤め上げることを基本とする雇用慣行によって培われてきた面がある。その価値観に照らし合わせれば、退職を重くとらえ、自発的な退職は会社への“裏切り行為”と捉える人もいるかもしれない。
また「退職の仕方にもよる」という声もあったように、退職時に一悶着あった人が復帰するような際には、周囲からの反対が大きい場合もある。出戻り採用を推進する際には、自社の企業文化や退職背景などと照らし合わせながら、個々のケースで適切に判断する必要がある。
では、出戻り採用“される”側は、元の会社への復帰が決まった際、どんな心境になるのだろうか。調査では、以下の結果となった。
「その時になってみないとわからない」の次に多かったのが、「退職後に成長した姿を見せたい」「今度は辞めないように頑張ろう」というポジティブな心境だ。「一度辞めたのに申し訳ない」「また辞めることにならないか不安」「一度辞めた手前、格好わるい」など、ネガティブな心境よりも上位にきている。
復帰時に生じているポジティブな心境を上手く活かしてもらえれば、出戻り社員を採用するメリットはさらに高まるはずだ。