C:決めつけはいけないけれど、地方のあまり有名じゃない国立大医学部出身者は、努力家が多い気がします。都会の私大の医学部に行けるほど裕福じゃない、だけど医者になりたいから、頑張って国立に入ったっていう。そういうドクターは、看護師や患者に対しても、上から目線でモノを言わないし熱心です。

D:学歴や学閥で他の医者と戦えない分、技術で勝つしかないっていうことを分かってるんですよね。

B:逆に、技術がないのになんでもやりたがる先生は本当に危険。手術して取り返しがつかないことになったらどうするのって思う。

A:自分ができないことは「できない」と患者にちゃんと伝える医者は、信用できると思います。うちの病院で、ベテラン医師が「僕は股関節の手術はあまり得意じゃないから、専門のいい先生を紹介します」と言うのを聞いた時は、すごく感動しました。

C:手術室は医療ミスに近いトラブルなんて日常茶飯事ですよ。この間もウチの病院で、肺の手術中に動脈を傷つけて、あっという間に大出血。手術室が騒然としたそうです。ガーゼとかで止血しているうちに一瞬だけ容態が落ちついたので、「今、少し落ちついたから、上に上げちゃおう」って、病棟にむりやり戻してしまったとか。手術室で亡くなると事故扱いになり、警察署に書類を提出したりしなければいけないから面倒らしいの。

A:状態が一時回復した段階で病棟に上げてしまうケース、よく聞きますよね。

D:健診センターだと、検体の採取ミスとか、採取に係わるミスはかなり多いです。ついこの間も、子宮頸がんの検査で細胞を入れたガラス器具を割ってしまい、「もう一度採取させていただけませんか」ってお願いしてる医者がいたっけ。採血する時に神経を傷つけちゃって、痺れを訴えてきた患者さんもいました。

B:そういうミスした時の対応で病院の体質がわかりますよね。病院経営のために保険の点数稼ぎの治療ばかりしている病院も多いし。看護師から見ると「この検査、本当に必要?」って思うこともしょっちゅう。

●司会・構成/大屋敷未世子(ジャーナリスト) 河合桃子(ジャーナリスト)

※週刊ポスト2019年9月20・27日号

関連キーワード

関連記事

トピックス

女優・遠野なぎこ(45)の自宅マンションで身元不明の遺体が見つかってから2週間が経とうとしている(Instagram/ブログより)
《遠野なぎこ宅で遺体発見》“特殊清掃のリアル”を専門家が明かす 自宅はエアコンがついておらず、昼間は40℃近くに…「熱中症で死亡した場合は大変です」
NEWSポストセブン
俳優やMCなど幅広い活躍をみせる松下奈緒
《相葉雅紀がトイレに入っていたら“ゴンゴンゴン”…》松下奈緒、共演者たちが明かした意外な素顔 MC、俳優として幅広い活躍ぶり、174cmの高身長も“強み”に
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《白パーカー私服姿とは異なり…》真美子さんが1年ぶりにレッドカーペット登場、注目される“ラグジュアリーなパンツドレス姿”【大谷翔平がオールスターゲーム出場】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
ロッカールームの写真が公開された(時事通信フォト)
「かわいらしいグミ」「透明の白いボックス」大谷翔平が公開したロッカールームに映り込んでいた“ふたつの異物”の正体
NEWSポストセブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン