誰にでも加減することなく全力でぶつかっていくガチンコ力士が全盛の時代だからこそ、先の計算が全く立たない終盤戦となったのだ。古参力士のひとりが続ける。

「両横綱が途中休場しなければ、違った結果になっていたかもしれない。そもそも、優勝ラインが12勝まで下がらなかっただろうし、とりわけ貴景勝と栃ノ心の明暗は逆転していた可能性がある。両横綱は、同郷の横綱・日馬富士(当時)による暴行事件を徹底的に追及した貴乃花親方とその弟子への反発が強く、特に白鵬は貴景勝との一番は厳しい相撲を取ることで知られている。

 実際、貴景勝は白鵬とは過去1勝4敗と分が悪く、鶴竜とも過去1勝3敗と負け越している。今場所は過去3勝6敗の高安も休場するなどして、貴景勝は本来なら対戦しないはずの前頭5枚目の竜電や6枚目の妙義龍あたりとも当たることになった。両横綱が出場していれば、1場所での大関復帰は厳しかったかもしれない」

 仮に白鵬、鶴竜、高安の3人が出場していて、貴景勝がその3番を落としていたら9勝止まりで大関復帰に届かなかったわけだ。

「逆に、両横綱は同じ外国人力士の栃ノ心に対しては、そこまで厳しい相撲内容にならないことが多い。栃ノ心は鶴竜とは4勝23敗、白鵬とは1勝27敗と分が悪いが、過去、大事なところでは栃ノ心が白星をあげている。栃ノ心が白鵬に対して初めて勝ったのが昨年5月場所の12日目。栃ノ心が大関昇進を決めた場所だった」(同前)

 栃ノ心は新大関場所(2018年7月場所)で5勝2敗8休と負け越していきなりカド番となったが、9月場所では白鵬には負けたものの鶴竜に勝って9勝6敗と勝ち越し。陥落危機を脱している。

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