国内

小泉進次郎氏が炎上した「処理水問題」を科学的に解きほぐす

環境相就任以降、発言ばかりが注目されるが…(時事通信フォト)

 9月の内閣改造で初入閣したのも束の間、ネット上で小泉進次郎氏の評価が急落している。

 きっかけのひとつは、原田義昭・前環境相が退任直前の9月10日の記者会見で、福島第一原発から出た放射性物質トリチウムを含む処理水について、「所管を外れるが、思い切って放出して希釈するしか方法がないと思っている」と発言したことに端を発する。

 これを受け、小泉氏は環境相に就任した当日の11日、「福島の皆さんの気持ちをこれ以上傷つけないような議論の進め方をしないといけない」と述べた。さらに、翌12日には記者会見で、全国漁業協同組合連合会の会長や福島県いわき市の漁業者らに会い、原田氏の発言は個人的なもので海洋放出は国の方針ではないと否定し、謝罪したと述べている。

 これの何が問題なのか。高橋洋一・嘉悦大学教授はこう指摘する。

「原田前大臣の『処理水は海洋放出するしかない』という意見はまったく正しくて、経産省でも海洋放出で議論が進んでいるが、小泉進次郎氏は浪花節に流されて科学的に不見識な回答をしてしまった。前大臣の発言について記者から聞かれるのは予想されたので、官僚からレクを受けていたはずですが、それに逆らってわざわざ自分の意見を述べ、科学的知識のなさを晒してしまったと思います。だけど、最初だから仕方がないですよ。これから勉強すればいいことです」

 高橋教授はそう擁護するが、ネットには小泉氏に対する失望の声が巻き起こっている。著名人のコメントに絞って紹介すると、社会保障経済研究所代表で政策アナリストの石川和男氏はツイッター(9月14日)でこう述べた。

〈小泉環境相がどう言おうとも、世界標準的には原田前環境相の方向性が適格。小泉環境相は、他の政策については今後のご活躍を期待したいところだが、『処理水処理問題』に関しては今の所は全然ダメ〉

 元経産省官僚の宇佐美典也氏もツイッター(9月12日)で、〈小泉進次郎さん就任二日で取り返しのつかないミスをしたように思う。代替手段がない不人気政策をポピュリズムで否定すると短期的には良くても後々自分が苦しむ。小池知事の就任当初の行動と良く似てる〉と、小池百合子都知事が豊洲市場問題で迷走し続けたのと同じ事態になることを危惧した。

 さらに、文春オンライン(9月18日付)は原田前大臣へのインタビューを掲載し、〈小泉くんに助言をするなら『寄り添うだけでは被災地の人々は救えないぞ』と言いたい〉という言葉を伝えている。

関連記事

トピックス

海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
2才の誕生日を迎えた悠仁さま(写真/宮内庁提供)
【9月6日で19才に】悠仁さま、40年ぶりの成年式へ 御料牧場、小学校の行事、初海外のブータン、伊勢新宮をご参拝、部活動…歩まれてきた19年を振り返る 
女性セブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
当時の水原とのスタバでの交流について語ったボウヤー
「大谷翔平の名前で日本酒を売りたいんだ、どうかな」26億円を詐取した違法胴元・ボウヤーが明かす、当時の水原一平に迫っていた“大谷マネーへの触手”
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
《同居女性も容疑を認める》清水尋也容疑者(26)Hip-hopに支えられた「私生活」、関係者が語る“仕事と切り離したプライベートの顔”【大麻所持の疑いで逮捕】
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
【大麻のルールをプレゼンしていた】俳優・清水尋也容疑者が“3か月間の米ロス留学”で発表した“マリファナの法律”「本人はどこの国へ行ってもダメ」《麻薬取締法違反で逮捕》
NEWSポストセブン
賭博の胴元・ボウヤーが暴露本を出版していた
大谷翔平から26億円を掠めた違法胴元・ボウヤーが“暴露本”を出版していた!「日本でも売りたい」“大谷と水原一平の真実”の章に書かれた意外な内容
NEWSポストセブン
ロコ・ソラーレ(時事通信フォト)
《メンバーの夫が顔面骨折の交通事故も》試練乗り越えてロコ・ソラーレがミラノ五輪日本代表決定戦に挑む、わずかなオフに過ごした「充実の夫婦時間」
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(時事通信フォト)
《麻薬取締法違反の疑いでガサ入れ》サントリー新浪剛史会長「知人女性が送ってきた」「適法との認識で購入したサプリ」問題で辞任 “海外出張後にジム”多忙な中で追求していた筋肉
NEWSポストセブン
サークル活動にも精を出しているという悠仁さま(写真/共同通信社)
悠仁さまの筑波大キャンパスライフ、上級生の間では「顔がかっこいい」と話題に バドミントンサークル内で呼ばれる“あだ名”とは
週刊ポスト
米カリフォルニア州のバーバンク警察は連続“尻嗅ぎ犯”を逮捕した(TikTokより)
《書店で女性のお尻を嗅ぐ動画が拡散》“連続尻嗅ぎ犯” クラウダー容疑者の卑劣な犯行【日本でも社会問題“触らない痴漢”】
NEWSポストセブン