子供が出演する番組の特徴として、もう1つ挙げておきたいのは、視聴者が参加している感覚で楽しめること。「もし自分が出演したら答えるか?」「自分はこの子と比べてどうなのか?」と思わせることで、子供と高齢層以外の視聴者も引きつけているのです。
年齢層を問わず現在の視聴者はテレビ番組に対して受動的ではなく、SNSを絡めて「参加する」という能動的な感覚の人が少なくありません。その意味で、子供や高齢層に対応したシンプルな内容の『トリニク』『99人の壁』『チコちゃん』は、クイズに参加するだけでなく、ネット上でつぶやきやすい要素が満載です。
また、「バラエティは表現の幅が狭くなった」と言われますが、子供や高齢層をターゲットにした番組には無関係。萎縮せず伸び伸びと制作できることもあって、しばらくは子供が出演する番組ブームが続くのではないでしょうか。
【木村隆志】
コラムニスト、芸能・テレビ・ドラマ解説者。雑誌やウェブに月20本超のコラムを提供するほか、『週刊フジテレビ批評』などの批評番組に出演。タレント専門インタビュアーや人間関係コンサルタントとしても活動している。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』『話しかけなくていい!会話術』『独身40男の歩き方』など。