■鳴く猫鼠捕らず
「能ある鷹は爪を隠す」の逆で、よく鳴く猫はネズミをあまり捕れないことから、口数の多い者に限って実行が伴わないことの意味で使われる。
■猫の首に鈴を付ける
ネズミが天敵の猫から身を守るために、猫の首に鈴をつけようとするも、いざ実行しようとするネズミはいなかったというイソップ童話『ネズミの相談』から生まれた。
「名案を思いついても、実行するとなるとリスクを負う者がいない時の例えです」
■猫の魚辞退
猫が大好物の魚を断ることはあり得ない。その様子から、本心とは逆のことをすること、本当は欲しいのにがまんしているので長続きしないなどの意味を表す。
■皿嘗めた猫が科を負う
最初に皿にあった食べ物を食べた猫は逃げて、後から来て皿をなめていた猫が捕まる様子を表したことわざ。主犯は捕まらず、小者(下っ端)だけが罰を受ける意味で使われる。
■猫も杓子も
杓子とは、ご飯を盛る時や汁物をすくう時に使う道具。誰もかれも、何もかもなどの意味として使われる。
■猫に鰹節
猫の前に好物の鰹節を置いたら、食べられるのが当たり前。あやまちが起こりやすい状況の例え。
■猫は三年の恩を三日で忘れる
猫は人の恩をすぐ忘れると、犬の対比で誇張していわれる。
昨今続く猫ブームの影響で、猫がつく新しい名ことわざが、今後誕生する可能性も。一緒に考えてみませんか?
◆取材・文/鳥居優美 イラスト/尾代ゆうこ
※女性セブン2019年10月10日号