「そもそもイングランドで生まれたラグビーは、“ザ・ナイン”と呼ばれる名門校のパブリックスクールで始まったものです。さまざまな立場の多様性を重視しながら主体性を持って行動するというイギリス型のリーダーシップを学ぶ場として、ラグビーは活用されていた。日本でもまず慶應大に輸入され、そこから早稲田や明治、関西では関関同立といった名門大学に広まっていきました。
また、ラグビーは1995年にプロ化するまでは全員がアマチュアだったので、大学を卒業すれば就職しなければいけなかった。そこで、名門大学から一流企業に就職するという流れができたのです。
大学時代から“文武両道”を培い、ラグビーのプレースタイルがしみこんだまま就職しても頑張るので、社内でも評価されて出世することが多いのではないでしょうか」
同志社大ラグビー部出身者でも、大八木氏の後輩に当たるサントリーHDの土田雅人・執行役員など、名だたる有名企業で出世した人材は多い。大八木氏自身も引退後、芦屋大学付属中学・高校の校長や学校法人芦屋学園の理事長を歴任している。
「同志社大の仲間などがラグビーで身についたリーダーシップを発揮していろんなところで活躍しているので、それが“OB人脈”と言われるのでしょう。同じ釜の飯を食ったというラグビー経験者同士の信頼関係は、ビジネスの現場にも通じるはずです」(同前)
※週刊ポスト2019年10月11日号