「少しだけですけど、食べてくれるようになったという報告でした。本当に、ほっとしました。しばらくするとまた連絡があって、今度は出した食事を完食してくれましたって。その後は体力も戻ってくれて、9月8日のブログでは、元気にケーキを食べる様子をアップできるまでになりました」
しかし、だからといって延命治療の決断から逃れられたわけではない。
延命治療という言葉を聞いてから約3か月。どこかふっ切れたような表情のつちやは彼女なりの結論を出していた。しばらく天井を見上げ、こう話してくれた。
「次に尋ねられたら、経管栄養は不要ですと答えると思います。ただ、“ギリギリまで精一杯のことはやってください”とお願いをします。一日に一口でもいいから、可能な限り口から食べさせてくださいと。母は昔から食べることが好きだったんです。でもその楽しみがなくなってしまったら、仮に胃ろうをして生きていても、母はうれしくないと思うんです。だから延命治療は結構です。それが今の私の答えです」
延命治療の選択をきっかけに、最愛の母の死と向き合い、悩み抜いた日々は、決して無駄ではなかったのだろう。つちやの表情は、どこか晴れやかだった。
※女性セブン2019年10月24日号