「私を標的にしたのはバリバリ働く50代の女性教諭。何かあれば校長に直談判する“女帝”タイプで、校長も同い年の彼女には何も言えなかった。女性教諭の作成したプリントの間違いを指摘したら、職員室で私宛の電話を受けても取り次がないといった、嫌がらせが始まりました。
それだけなら個人間のトラブルですが、残業続きでヘトヘトの時期に子供たちの前で『あなた最近、たるんでるよね。もっと仕事に自覚を持ちなさい!』と怒鳴られたり、自作の学級通信をクシャクシャに丸められたこともあります。敏感な子供たちの間で“A先生はダメ先生”との噂があっという間に広まり、クラスが荒れて学級崩壊寸前になりました」
職員室内の視線も冷ややかになった。
「小学校の教諭は担任を持てば年齢にかかわらず“一国一城の主”のようなところがあり、親身になって相談に乗ってくれる相手もいません。ピラミッドの頂点にいる女性教諭には他の先生も意見できず、そのうち事務職員まで私を避けるようになりました」
ヒエラルキー上位の教諭は同じ学校にとどまることが多く、一般的に最長とされる8~10年程度は居続けることになる。同じ職員室での勤務を続ける限り、ひとたび序列が下になれば、そこから抜け出すことは難しいのだ。
※週刊ポスト2019年11月1日号