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出雲を制した国学院大 箱根駅伝を勝つ秘策とは

伏兵から本命へ(時事通信フォト)

 来年1月の箱根駅伝で、優勝候補となる、“ダークホース”が現われた。10月14日の出雲駅伝は、前々日に台風19号が東日本を直撃したため、関東の出場大学が現地入りの日程やルートを変更するなど、異例の状況での開催となったが、大会を制したのは、過去10位が最高の国学院大だった。4位でタスキを受けた最終6区の土方英和(4年)が区間賞の快走で37秒差を逆転してみせた。

 前日夜のラグビー日本代表戦を取材後、羽田に宿泊して島根に飛ぶというハードスケジュールで現地取材したスポーツジャーナリスト・生島淳氏は、大会前から国学院大を有力な優勝候補に挙げていた。

「今年3月の日本学生選手権のハーフマラソンでは土方君、エースの浦野雄平君(4年)が上位に入ったし、選手たちのトラックのタイムを見ても、青学大、東海大、東洋大、駒澤大という昨季までの4強を脅かす存在だった。本番でも全区間でミスなく走って、最終区の逆転劇につなげました」

 気になるのは、正月の箱根路でどうなるかだ。スピード重視の出雲駅伝が6区間45.1kmなのに対し、箱根駅伝は10区間217.1kmと距離が大きく延び、レース特性は全く異なる。

「かなり先の話で予想は難しいが、国学院大のメンバーの実力なら距離が延びることに問題はない。しかも山登りの5区には前回区間新の浦野君がいて、少なくとも往路優勝は十分に狙える。

 あとは出雲のアンカー・土方君が何区を走るのか。普通に考えれば“花の2区”ですが、前回の東洋大がエースの相澤(晃)君を4区に配したように、あえて2区を避けて勝負する可能性もある。箱根駅伝の戦略は多様化しています。国学院大がどんなオーダーを組むか、他の大学がマークしなくてはならなくなったことは間違いない」(同前)

 過去、箱根では7位が最高の伏兵が、一気に今季の主役に躍り出た。

※週刊ポスト2019年11月1日号

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