こうした光景を見るにつけ、ネットで活発に語られるものは「人数が多い30代後半~50代前半の世代の男」向けの話題であることが分かる。だからこそ、お台場に実寸大ガンダムが登場すればこの世代の男が歓喜する。「ガンダム総選挙」なんて番組をNHKが企画すれば、多数の投票が寄せられ、No.1作品にはいわゆる『ファーストガンダム』が選ばれる。ファミコン、スーパーファミコンの人気ゲームを30本詰め込んだ新ゲーム機が登場すればすぐ売り切れる。「ウケる鉄板ネタ3」を挙げると以下となる。

【1】『北斗の拳』など1980年代中盤~1990年代前半の『週刊少年ジャンプ』ネタ
【2】ファミコン、スーパーファミコン、ドラゴンクエスト関連話題
【3】1980年代のテレビ番組関連話題

 いずれも、現在のオッサン世代にとって「あったあった!」とネットで雑談できるような話題を出せば盛り上がるのだ。

 ラグビーW杯もオッサンホイホイになった。若い人からは奇異に思われたかもしれないが、しきりと「羅惧美偉」という文字がSNSに書き込まれた。これこそ、現在の40代が少年時代に熱狂した、ジャンプの人気連載漫画『魁!!男塾』に登場する謎の過激スポーツなのである。両チームが毒入り日本酒を飲み、15人1チームで鋼鉄製のボールを回し合い、トライをしたら解毒剤が手に入れられるというルールだ。武器は何を使っても良い。これぞ男塾名物「羅惧美偉」である。

 W杯開幕後はツイッターに「今、羅惧美偉見てる」などと書く人が次々と登場した。日本が決勝トーナメント1回戦で南アフリカに負けたら、「日本負けたからもうこのハッシュタグ使えないのが残念や。 #羅惧美偉」と書く人もいた。オッサンがこの言葉をネットに書きたくて仕方がなかった様がよくわかり久々にほのぼのした。

●なかがわ・じゅんいちろう/1973年生まれ。ネットで発生する諍いや珍事件をウオッチしてレポートするのが仕事。著書に『ウェブはバカと暇人のもの』『ネットのバカ』など

※週刊ポスト2019年11月8・15日号

関連記事

トピックス

左:激太り後の水原被告、右:
【激太りの近況】水原一平氏が収監延期で滞在続ける「家賃2400ドル新居」での“優雅な生活”「テスラに乗り、2匹の愛犬とともに」
NEWSポストセブン
横山剣(右)と岩崎宏美の「昭和歌謡イイネ!」対談
【横山剣「昭和歌謡イイネ!」対談】岩崎宏美が語る『スター誕生!』秘話 毎週500人が参加したオーディション、トレードマークの「おかっぱ」を生んだディレクターの“暴言”
週刊ポスト
お笑いコンビ「ガッポリ建設」の室田稔さん
《ガッポリ建設クズ芸人・小堀敏夫の相方、室田稔がケーブルテレビ局から独立》4月末から「ワハハ本舗」内で自身の会社を起業、前職では20年赤字だった会社を初の黒字に
NEWSポストセブン
”乱闘騒ぎ”に巻き込まれたアイドルグループ「≠ME(ノットイコールミー)」(取材者提供)
《現場に現れた“謎のパーカー集団”》『≠ME』イベントの“暴力沙汰”をファンが目撃「計画的で、手慣れた様子」「抽選箱を地面に叩きつけ…」トラブル一部始終
NEWSポストセブン
母・佳代さんのエッセイ本を絶賛した小室圭さん
小室圭さん “トランプショック”による多忙で「眞子さんとの日本帰国」はどうなる? 最愛の母・佳代さんと会うチャンスが…
NEWSポストセブン
春の雅楽演奏会を鑑賞された愛子さま(2025年4月27日、撮影/JMPA)
《雅楽演奏会をご鑑賞》愛子さま、春の訪れを感じさせる装い 母・雅子さまと同じ「光沢×ピンク」コーデ
NEWSポストセブン
自宅で
中山美穂はなぜ「月9」で大記録を打ち立てることができたのか 最高視聴率25%、オリコン30万枚以上を3回達成した「唯一の女優」
NEWSポストセブン
「オネエキャラ」ならぬ「ユニセックスキャラ」という新境地を切り開いたGENKING.(40)
《「やーよ!」のブレイクから10年》「性転換手術すると出演枠を全部失いますよ」 GENKING.(40)が“身体も戸籍も女性になった現在” と“葛藤した過去”「私、ユニセックスじゃないのに」
NEWSポストセブン
「ガッポリ建設」のトレードマークは工事用ヘルメットにランニング姿
《嘘、借金、遅刻、ギャンブル、事務所解雇》クズ芸人・小堀敏夫を28年間許し続ける相方・室田稔が明かした本心「あんな人でも役に立てた」
NEWSポストセブン
第一子となる長女が誕生した大谷翔平と真美子さん
《真美子さんの献身》大谷翔平が「産休2日」で電撃復帰&“パパ初ホームラン”を決めた理由 「MLBの顔」として示した“自覚”
NEWSポストセブン
不倫報道のあった永野芽郁
《ラジオ生出演で今後は?》永野芽郁が不倫報道を「誤解」と説明も「ピュア」「透明感」とは真逆のスキャンダルに、臨床心理士が指摘する「ベッキーのケース」
NEWSポストセブン
渡邊渚さんの最新インタビュー
元フジテレビアナ・渡邊渚さん最新インタビュー 激動の日々を乗り越えて「少し落ち着いてきました」、連載エッセイも再開予定で「女性ファンが増えたことが嬉しい」
週刊ポスト