日本は今年、初の決勝T進出を果たしたが(撮影/藤岡雅樹)

 自国開催のW杯のために成功した強化手法ですが、今回限りで終わらせないことが重要だと思います。選手のレベルアップとファン獲得を目指して、ラグビー協会の清宮(克幸)副会長がW杯の12開催都市に本拠地を置く新プロリーグを2021年秋に開幕させたいと発言しているが、採算ベースからいえば厳しいでしょう。トップリーグとは別に、定期的に日本代表クラスの選手と海外の有力選手たちがぶつかり合う試合を開催するなど、多くの日本人に激しい試合を生で観戦してもらえる機会を増やす工夫が必要だと思います。

 同時に、選手が安心してラグビーに専念できる環境作りも必要です。選手は引退後の人生のほうが圧倒的に長い。トップリーグは一部上場企業が母体の素晴らしいチームばかりなので、引退後も選手が社内で何らかのかたちでキャリアを重ねられるような道を整えることも大事だと思います。

 そして何より大切なのが、“未来の日本代表選手たち”のための環境作りです。今は公立中学にラグビー部がないことで、競技人口が限られてしまっている。高校に進学するための内申書には校内のクラブ活動しか書けず、地元のラグビースクールなどは認められていない。そのために中学生たちが、平日は別の部活に所属して、土日だけスクールでラグビーをするようなことが多くなってしまっている。結果、才能ある子供たちが別のスポーツに流れてしまうわけです。

 まずは公立中学、あるいは地域にラグビー部を作っていく。そしてトップリーグなどでのラグビー経験者が指導者になって、人材を育てていく。ラグビーを文化として根付かせるためには、地道な取り組みも必要でしょう。

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