国内

日本の女性はなぜ「女性天皇を認めろデモ」をしないのか

10月22日に挙行された「即位礼正殿の儀」(AVALON/時事通信フォト)

 秋篠宮家に悠仁親王が誕生して以降、女性宮家の創設や女性天皇など、安定的な皇位継承のための議論はすっかり影を潜めている。アメリカにおける近現代天皇制研究の第一人者で、『天皇論「日米激突」』(小林よしのり氏との共著。小学館新書)や『国民の天皇』(岩波現代文庫)などの著書がある米ポートランド州立大学教授のケネス・ルオフ氏は、このままでは皇位の継承は難しくなるのではないかと語る。

 * * *
──日本の右派は、男系継承が皇室の伝統で、女性天皇や女系天皇は認めないと主張しています。

ルオフ:今の皇室がすべての伝統を守ろうとしていたら、側室制度も維持したはずです。しかし、今の時代にそぐわないから側室という伝統は捨てたのです。人間は社会ができたときから、どういう伝統を残すか、捨てるか、取捨選択しながら生きてきました。熟考したうえで、今の時代に合わない伝統は捨てればいいし、それに意味があるのなら残せばいい。

 先日、世界の王室の継承に関する法律を調べたのですが、小国を除いた王室のある国で男系男子継承を採用している国は、サウジアラビアなど数か国しかありませんでした。サウジアラビアの国王は男性しかなれませんが、一夫多妻が認められているので、王位継承権をもつ王子が非常に大勢います。しかし、日本では一夫多妻は認められていませんね。

 スペインやブータンの王室は今でも男性優先ですが、後継者がいない場合は女性でも国王(女王)になれます。英国は、昔は男性優先で男性の継承者がいない場合に女性が女王になる制度で、エリザベス二世女王もそれで女王になったのですが、今は初めて生まれた子供が国王になる制度に改めています。

 男女平等がグローバル基準になっていくなかで、日本とサウジアラビアなどだけが男系男子にこだわっていますが、それでいいのでしょうか。

関連記事

トピックス

ロッカールームの写真が公開された(時事通信フォト)
「かわいらしいグミ」「透明の白いボックス」大谷翔平が公開したロッカールームに映り込んでいた“ふたつの異物”の正体
NEWSポストセブン
大谷と真美子さんの「冬のホーム」が観光地化の危機
《白パーカー私服姿とは異なり…》真美子さんが1年ぶりにレッドカーペット登場、注目される“ラグジュアリーなパンツドレス姿”【大谷翔平がオールスターゲーム出場】
NEWSポストセブン
和久井被告が法廷で“ブチギレ罵声”
【懲役15年】「ぶん殴ってでも返金させる」「そんなに刺した感触もなかった…」キャバクラ店経営女性をメッタ刺しにした和久井学被告、法廷で「後悔の念」見せず【新宿タワマン殺人・判決】
NEWSポストセブン
初の海外公務を行う予定の愛子さま(写真/共同通信社 )
愛子さま、初の海外公務で11月にラオスへ、王室文化が浸透しているヨーロッパ諸国ではなく、アジアの内陸国が選ばれた理由 雅子さまにも通じる国際貢献への思い 
女性セブン
几帳面な字で獄中での生活や宇都宮氏への感謝を綴った、りりちゃんからの手紙
《深層レポート》「私人間やめたい」頂き女子りりちゃん、獄中からの手紙 足しげく面会に通う母親が明かした現在の様子
女性セブン
“マエケン”こと前田健太投手(Instagramより)
《ママとパパはあなたを支える…》前田健太投手、別々で暮らす元女子アナ妻は夫の地元で地上120メートルの絶景バックに「ラグジュアリーな誕生日会の夜」
NEWSポストセブン
グリーンの縞柄のワンピースをお召しになった紀子さま(7月3日撮影、時事通信フォト)
《佳子さまと同じブランドでは?》紀子さま、万博で着用された“縞柄ワンピ”に専門家は「ウエストの部分が…」別物だと指摘【軍地彩弓のファッションNEWS】
NEWSポストセブン
和久井学被告が抱えていた恐ろしいほどの“復讐心”
「プラトニックな関係ならいいよ」和久井被告(52)が告白したキャバクラ経営被害女性からの“返答” 月収20〜30万円、実家暮らしの被告人が「結婚を疑わなかった理由」【新宿タワマン殺人・公判】
NEWSポストセブン
山下市郎容疑者(41)はなぜ凶行に走ったのか。その背景には男の”暴力性”や”執着心”があった
「あいつは俺の推し。あんな女、ほかにはいない」山下市郎容疑者の被害者への“ガチ恋”が強烈な殺意に変わった背景〈キレ癖、暴力性、執着心〉【浜松市ガールズバー刺殺】
NEWSポストセブン
英国の大学に通う中国人の留学生が性的暴行の罪で有罪に
「意識が朦朧とした女性が『STOP(やめて)』と抵抗して…」陪審員が涙した“英国史上最悪のレイプ犯の証拠動画”の存在《中国人留学生被告に終身刑言い渡し》
NEWSポストセブン
橋本環奈と中川大志が結婚へ
《橋本環奈と中川大志が結婚へ》破局説流れるなかでのプロポーズに「涙のYES」 “3億円マンション”で育んだ居心地の良い暮らし
NEWSポストセブン
10年に及ぶ山口組分裂抗争は終結したが…(司忍組長。時事通信フォト)
【全国のヤクザが司忍組長に暑中見舞い】六代目山口組が進める「平和共存外交」の全貌 抗争終結宣言も駅には多数の警官が厳重警戒
NEWSポストセブン