ストレス解消効果は、玉ねぎを切った時や目が乾いた時などに出る涙ではNG。喜怒哀楽などの情動を伴う涙がよいのだという。

「いちばん効果的なのは、映像や音楽、文章などに共感し、心が動いて出る涙です。共感が高まると、おでこの中央、“第三の目”などとも呼ばれるチャクラ付近の脳の前頭前野の血流が増えます。映画や本などで人の経験や思いに共鳴すると、血液が集まって目頭が熱くなり、涙があふれます。この涙がいちばん心を癒すのです」

 吉田さんが主催する涙活セミナーでは、動画や物語の朗読、絵本の読み聞かせをはじめ、泣ける話を創作する“作文ワーク”、弱音をひと言で書き出す“泣き言セラピー”など、あらゆる方向から情動の涙を誘う。書いたものは参加者みんなでシェアして、共感し合うという。

「涙を流して泣くというのは簡単ではありません。普段から泣けない人、人前で泣けない人、セミナーの“泣かせよう”という意図を感じすぎて泣けない人、あるいは大きな悩みを抱え、心を閉ざして泣けない人もいます。

 そんな人には泣けない自分を客観視して、その理由と向き合ってもらう。そして意識して自分から“泣きにいく”ようレクチャーします。つまり共感力を高めるのです」

 ちなみに、環境はできるだけリラックスできるよう整えた方が泣きやすい。セミナーではBGMにヒーリング音楽を流しているが、室内を薄暗くしたり、落ち着けるアロマを焚いたりするのもいい。またお風呂上がりもおすすめだ。

※女性セブン2019年11月21日号

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