スポーツ

エ女王杯 リピーター古馬と「クイーン」馬名が気になる

エリザベス女王杯の1番人気の勝率は2割を下回っている

 軸馬に迷っているなら、平成最初のエリザベス女王杯の結果に思いを馳せてみるのも一興かもしれない。競馬ライター・東田和美氏が考察した。

 * * *
 エリザベス女王杯が現在の古馬混合戦になったのは1996年から。23回で1番人気が勝ったのは4回だけ。勝率.174というのはGⅠ中最低。だが2着は7回あり、連対率.478は決して低くないし、2番人気6勝、3番人気5勝、4番人気3勝で上位人気馬は信頼してよさそう。2、3着もさほど荒れておらず、馬連の万馬券は2回だけ、三連複万馬券も4回にとどまっている。

 ノーザンファーム生産馬が9頭というのは相変わらずだが、今回はクラブ馬が主役。サトノは白老ファームだし、ダノンもミッキーもアドマイヤも金子オーナーの馬もいない。追分ファーム生産馬を含めたサンデーサラブレッドクラブの3頭をはじめ、クラブ会員に支えられている馬が集結した。会員数は計1万1500名、みんなワクワクしているんだろうなあ。

 3歳馬と歴戦の古馬の対決という構図で、3歳馬(2000年以前は4歳馬)が8勝。外国馬スノーフェアリーを除けばすべてが秋華賞出走馬で、連勝したのは3頭。4頭が秋華賞で2、3着だった。2着の秋華賞組も6頭いて、うち5頭が1、2着。

 秋華賞馬でエリザベス女王杯に出てきたのは13頭で3勝2着3回3着1回。馬券圏内から外れたのは6頭でそのうち1頭は降着になったカワカミプリンセス。3頭は掲示板に載っている。秋華賞上位馬はエリザベス女王杯でも有力だ。

 今年はオークスと秋華賞の覇者が参戦。好調が伝えられており、3歳馬同士の決着も考えられる。勝った方が最優秀3歳牝馬だ。

 好成績をあげてきた古馬をチェックしてみると、“リピーター”が好成績を収めているのに気づく。古馬15勝のうち前年もエリザベス女王杯に出走していたのは11頭。2着馬も16頭中11頭、3着馬も9頭が経験者だ。

 連覇を果たしたのはメジロドーベル、アドマイヤグルーヴ、スノーフェアリーの3頭だが、2年連続2着というのがフサイチエアデール、オースミハルカ、ヌーヴォレコルト、クロコスミアと4頭もいる。ついでに2年連続3着もアパパネとミッキークイーンの2頭。その他ダンスパートナーとフサイチパンドラは1着2着、モズカッチャンが1着3着、アドマイヤグルーヴは連覇の後3着。スイープトウショウは1着2着3着、ラキシスは2着1着、カワカミプリンセスは6年12着(1位入線で降着)から中1年おいて2着、フェアダンスなどは4歳限定3着→3歳以上で2着と条件と距離が変わっても馬券圏内に来た。

 秋の牝馬限定GⅠはこのレースだけなので、有力馬が集まるのは当然だが、ジェンティルドンナやアーモンドアイはJCに向かったし、秋華賞後は休養というケースも多い。距離への懸念があればマイルCSという選択肢もあるし、12月には香港カップも控えており、ことさら牝馬女王にこだわらなくなってきているはず。やはり紅葉真っ盛りの京都には、牝馬を奮い立たせる何かがあるのだろう。あるいは京都外回り2200m攻略の法則を体得しているのか。

関連キーワード

関連記事

トピックス

元通訳の水谷氏には追起訴の可能性も出てきた
【明らかになった水原一平容疑者の手口】大谷翔平の口座を第三者の目が及ばないように工作か 仲介した仕事でのピンハネ疑惑も
女性セブン
文房具店「Paper Plant」内で取材を受けてくれたフリーディアさん
《タレント・元こずえ鈴が華麗なる転身》LA在住「ドジャー・スタジアム」近隣でショップ経営「大谷選手の入団後はお客さんがたくさん来るようになりました」
NEWSポストセブン
日本テレビの杉野真実アナウンサー(本人のインスタグラムより)
【凄いリップサービス】森喜朗元総理が日テレ人気女子アナの結婚披露宴で大放言「ずいぶん政治家も紹介した」
NEWSポストセブン
歌う中森明菜
《独占告白》中森明菜と“36年絶縁”の実兄が語る「家族断絶」とエール、「いまこそ伝えたいことが山ほどある」
女性セブン
伊勢ヶ濱部屋に転籍した元白鵬の宮城野親方
元・白鵬の宮城野部屋を伊勢ヶ濱部屋が“吸収”で何が起きる? 二子山部屋の元おかみ・藤田紀子さんが語る「ちゃんこ」「力士が寝る場所」の意外な変化
NEWSポストセブン
大谷翔平と妻の真美子さん(時事通信フォト、ドジャースのインスタグラムより)
《真美子さんの献身》大谷翔平が進めていた「水原離れ」 描いていた“新生活”と変化したファッションセンス
NEWSポストセブン
羽生結弦の元妻・末延麻裕子がテレビ出演
《離婚後初めて》羽生結弦の元妻・末延麻裕子さんがTV生出演 饒舌なトークを披露も唯一口を閉ざした話題
女性セブン
古手川祐子
《独占》事実上の“引退状態”にある古手川祐子、娘が語る“意外な今”「気力も体力も衰えてしまったみたいで…」
女性セブン
今年の1月に50歳を迎えた高橋由美子
《高橋由美子が“抱えられて大泥酔”した歌舞伎町の夜》元正統派アイドルがしなだれ「はしご酒場放浪11時間」介抱する男
NEWSポストセブン
ドジャース・大谷翔平選手、元通訳の水原一平容疑者
《真美子さんを守る》水原一平氏の“最後の悪あがき”を拒否した大谷翔平 直前に見せていた「ホテルでの覚悟溢れる行動」
NEWSポストセブン
STAP細胞騒動から10年
【全文公開】STAP細胞騒動の小保方晴子さん、昨年ひそかに結婚していた お相手は同い年の「最大の理解者」
女性セブン
逮捕された十枝内容疑者
《青森県七戸町で死体遺棄》愛車は「赤いチェイサー」逮捕の運送会社代表、親戚で愛人関係にある女性らと元従業員を……近隣住民が感じた「殺意」
NEWSポストセブン