このマンション藤のすぐ近くにある「清風園」という集合住宅でも、1階にネイルサロンが入り、2階にはカフェがある。団地のような建物の階段を上がると、一室を改装した「ひつじ茶房」がある。ここもやはり誰かのお宅を訪問する気分だ。
店名は、岡本でかつて40年以上続き有名だった児童図書専門店「ひつじ書房」からもらったというだけあり、店内は絵本など本や絵で溢れている。まるで居心地の良い図書館のような空間だ。岡本のある東灘区には、こうしたカフェや洋菓子店も多く、11月24日まで「ひがしなだスイーツめぐり」が開催されており、ひつじ茶房もアーモンドのチーズケーキなど特別メニューを目当ての客が訪れている。
岡本駅周辺には、高級住宅地があり、古くからの富裕層向けの店から、女子大生向けのおしゃれなカフェまで、高級感とおしゃれ感が併存している。表通りは家賃も高くなっておりチェーン店が増える一方、築年数が経った民家や集合住宅を活用した裏通りの個人店も増えている。こうした個人店の頑張りが、「昔の神戸っぽい」高級感とおしゃれな雰囲気を醸し出している。
若い世代が“神戸らしさ”をしっかり受け継いでいる小さな町、岡本。ちょっと足を延ばして訪れてみるのも良いのではないだろうか。