国内

英語民間試験 123億利権に群がった役人・教育者・企業たち

身の丈発言が物議を醸した(時事通信フォト)

「身の丈に合わせて頑張って」──。萩生田光一文科相の失言は受験生やその親を憤慨させ、準備不足も露呈したことで「英語民間試験」は延期に追い込まれた。背後にある教育を“食い物”にする構図とは──。ノンフィクション作家の広野真嗣氏がレポートする。

 * * *
 土壇場で導入延期が決まった大学入学共通テストの英語民間試験をめぐって、萩生田文科相は11月5日の会見でこう述べた。

「今日に至るまでどういう積み上げでこういう制度設計になったのか、判断に誤りがなかったのか、きちんと検証していきたい」

 制度設計にあたった会議が非公開で議事録も開示されていない、という批判に答えたものだ。

 英語民間試験は従来のセンター入試に代えて、英検など民間6団体が実施する7種類の試験を活用する仕組みだ。官邸に置かれた教育再生実行会議を司令塔に2014年12月、文科省の諮問機関・中央教育審議会(中教審)の答申で導入の方向性が示されると、3年後には2020年4月導入が決まった。

 導入目前に騒動となったのが、萩生田氏が民放BS番組で放った「(受験生は)身の丈に合わせて頑張ってもらえれば」という発言だ。経済状況や居住地域によって受験料や交通費が重い負担となり、格差拡大を助長するのではないか、という懸念を大臣自ら、端的に容認してしまったのである。

 ただ、本当に検証されるべきは、この問題とは別の所にある。

関連キーワード

関連記事

トピックス

本格的に中国進出をめざすならば…(時事通信フォト)
《年内結婚報道》橋本環奈と中川大志の「結婚生活」に立ちはだかる“1万kmの距離” 2人の異なる“海外進出の希望先”
週刊ポスト
「池田温泉旅館 たち川」の部屋風呂に「温泉偽装疑惑」。左はHPより(現在は削除済み)、右は従業員提供
「水道水にカップ5杯の重曹を入れてグルグル…」岐阜県・池田温泉「高級旅館」の部屋風呂に“温泉偽装”疑惑 ヌルヌルと評判のお湯の真実は…“夜逃げ”オーナーは直撃に「誰からのリークなの? それ」
NEWSポストセブン
これまでジャズ歌手などとしても活動してきた参政党・さや氏(写真/共同通信社)
参政党・さや氏、歌手時代のトラブル証言 ジャズバーのママが「カチンときて縁を切っちゃいました」、さや氏は「そうした事実はない」…真っ向食い違う言い分
週刊ポスト
もうすぐ双子のママになる。Numero.jpより。
Photos:Mika Ninagawa
中川翔子3年にわたる不妊治療と2度の流産を経験 。 双子の男の子のママになる妊婦姿を披露して話題に
NEWSポストセブン
錦織圭とユニクロの関係はどうなるか(写真/共同通信社)
「ご本人からの誠意ある謝罪があった」“ユニクロ不倫”錦織圭、ファーストリテイリング広報担当が明かしたスポンサー契約継続の理由
週刊ポスト
趣里と父親である水谷豊
《女優・趣里の現在》パートナー・三山凌輝のトラブルで「活動セーブ」も…突破口となる“初の父娘共演”映画は来年公開へ
NEWSポストセブン
岐阜の「池田温泉旅館 たち川」が突然の閉鎖、事業者が夜逃げした(左は旅館のInstagramより)
【スクープ】岐阜県の名所・池田温泉の人気旅館が突然の閉鎖 町が運営委託した事業者が“夜逃げ”していた! 町長からは228万円の督促状、従業員が告発する「オーナーの計画」 給料も未払いに
NEWSポストセブン
山尾志桜里氏は2017年にダブル不倫が報じられた(時事通信フォト)
参院選落選・山尾志桜里氏が明かした“国民民主党への本音”と“国政復帰への強い意欲”「組織としての統治不全は相当深刻だが…」「1人で判断せず、決断していきたい」
NEWSポストセブン
オンカジ問題に揺れるフジ(時事通信)。右は鈴木善貴容疑者のSNSより
止まらない「オンカジドミノ退社」フジテレビ社内で話題を呼ぶ
NEWSポストセブン
中村七之助の熱愛が発覚
《元人気芸妓とゴールイン》中村七之助、“結婚しない”宣言のルーツに「ケンカで肋骨にヒビ」「1日に何度もキス」全力で愛し合う両親の姿
NEWSポストセブン
詐称疑惑の渦中にある静岡県伊東市の田久保眞紀市長(HP/Xより)
《まさかの“続投”表明》田久保眞紀市長の実母が語った娘の“正義感”「中国人のペンションに単身乗り込んでいって…」
NEWSポストセブン
大谷が購入したハワイの別荘の広告が消えた(共同通信)
【スクープ】大谷翔平「25億円ハワイ別荘」HPから本人が消えた! 今年夏完成予定の工期は大幅な遅れ…今年1月には「真美子さん写真流出騒動」も
NEWSポストセブン