猫派も黙っていない。前出の小林氏は、自身の体験から「猫にも忠誠心はある」と断言する。
「ある日の朝、実家の猫が外出先ではぐれてしまったことがあって。もともと家の外と中を出入りしていた子だったので、帰れば戻っているだろうと思っていたけど、いない。家族みんなで探し回って、結果的に、はぐれた場所でずっと私たちを待ち続けていました。寂しそうにこちらを見ていてね。
犬のように分かりやすくしっぽを振ったり駆け寄ってきたりと、感情表現を表に出さないだけで、猫ほど飼い主に忠実な動物も珍しいと思います」
4匹の猫を飼っている経済アナリストの森永卓郎氏は、「犬と猫は忠誠心の種類が違うだけ」だと分析する。
「犬はもともと集団で狩りをする動物だったので、他人と協調することが遺伝子の中にも刷り込まれている。だから別に愛情を注がなくても“飼い主には絶対服従”という生き物なんです。一方、猫は森で単独行動して、1人で狩りをする動物です。そもそも他人と協調する習性がない。
ただし最近の研究によると、猫は脳の中の扁桃体がものすごく発達していて、愛情を注いでいくと警戒心を解き、一種の忠誠心が芽生えてくるそうです。犬のようにご主人なら誰でも従うのではなく、ずっと愛情を積み重ねてきた人にだけ従うんですよ。“真の愛”を見分ける能力に長けているのです」