飼育数は猫が犬を逆転
犬派はまず「犬の飼い主への忠誠心の強さ」を力説する。
「僕には犬と猫を育ててきた経験がありますが、猫は懐いてはくるけれども、恩返しはしない。その点、犬はどんな主人にも忠誠を尽くします。犬というのは、生まれながらにDNAが人と共存するようにできている。猟犬とか盲導犬などのように、人間のために頑張ってくれている」
そう話すのは漫画家の弘兼憲史氏だ。現在、ウェリッシュ・コーギーを飼っている弘兼氏は、そもそも犬と猫では、人間との関わり方が根本的に異なると主張する。
「犬は家族だけど、猫はあくまでもペット。可愛いだけの“愛玩”なんです。人間に一方的に可愛がられるだけの猫に、飼い主への忠誠心が芽生えるはずもなく、そもそも飼い主も忠誠心を求めない。
一方で犬は自分も家族の一員だと思っていますから、行動も人間的です。親子、兄弟と同じように上下関係があり、主従を自然と理解できる。だから忠誠心が生まれる」
前出の澤口氏もこう解説する。
「猫が家庭で飼われるようになったのは、せいぜい5000年前から。犬は1万5000年前というのが定説で、4万年という説もある。人間が狩猟採集民だった頃からのパートナーであり、家族だった。猫とは歴史が全然違います。お互いに助け合いながらともに進化することを“共進化”と言いますが、人類と共に進化してきた動物は犬しかいない」
◆猫は“真の愛”を見分ける
