◆犬のほうが知能が高い
澤口氏は脳科学者の立場から、犬と猫では知能のレベルが違うと強調する。
「2017年に『大脳皮質の神経細胞の数は犬が5億3000万、猫は2億5000万』という論文が出されています。神経細胞の数が倍以上違うのです。脳の構造についても、犬は人の顔を認識する特別な脳領域さえ持っている。知能は最低でも人間の2歳並み。要するに猫は犬より脳機能が低いといえます」(澤口氏)
なかでも犬派が自慢するのが、犬の「コミュニケーション能力」の高さだ。
「呼べばこっちに来たり、言葉や表情から飼い主の伝えたいことを全力で読み取ろうとする。犬は人間と“意思疎通”ができる稀有な動物なんです」(香山氏)
◆猫は『悪女』的に頭が良い
猫派はここでも猛反論する。森永氏が語る。
「猫は頭が悪いなんて、とんでもない話ですよ。うちの猫はおやつをあげるときには『待て』もするし、『お手』もする。おもちゃをあげたらちゃんと咥えて帰ってくる。犬にできる芸は猫にだって簡単にできるんです。単純な脳細胞の数だけで判断できる話ではないと思います。
気ままに見えて飼い主のことをじっと見ているし、こちらの意図はだいたい理解していますよ。気分が乗らない時はスキンシップもスッとかわして、じらしながらも、ギリギリのところで最後は寄ってくる。つまり『悪女』的な頭の良さがあるんです。犬にはそんな“駆け引き”はできませんよね」
※週刊ポスト2019年11月22日号