ライフ

世界初の認知症治療薬になるか 「アデュカヌマブ」の可能性

エーザイの内藤晴夫CEO(時事通信フォト)

 世界初の認知症治療薬の誕生となるかが注目を集めている。来年初めにも、新薬「アデュカヌマブ」が米食品医薬品局(FDA)に承認を申請する方針だと発表された。

 10月30日、新薬を米国の製薬大手・バイオジェンと共同開発しているエーザイの内藤晴夫CEOは決算会見で、「承認にこぎ着け、患者の思いに応えたい」と語り、承認取得は難しいという見方に対しても「不確定なところはない」と強調した。

 この新薬は今年3月、有効性が確認できないとして、両社が治験中止を発表していた。それが一転、申請への運びとなったのだ。その理由をバイオジェン・ジャパン広報部はこう説明する。

「試験データを再解析したところ、投与量が多い“高用量群”において認知機能を測定する指標で改善傾向が見られました。申請可能かどうか、FDAとこれから協議を進めていく段階です」

 これまでの認知症薬とはメカニズムが違っている。東京大学医薬政策学客員准教授の五十嵐中(あたる)氏が解説する。

「アリセプトなどの既存薬は、神経伝達の強化を通して症状を一時的に改善するもので、その期間は長くても18か月程度です。今回のアデュカヌマブは認知症の原因物質とされるアミロイドベータを溜まりにくくすることで、症状の悪化をより長期に抑制できる可能性があります」

関連キーワード

関連記事

トピックス

秋篠宮と眞子さん夫妻の距離感は(左・宮内庁提供、右・女性セブン)
「悠仁さまの成年式延期」は出産控えた姉・眞子さんへの配慮だった可能性「9月開催で眞子さんの“初里帰り”&秋篠宮ご夫妻と“初孫”の対面実現も」
NEWSポストセブン
1998年にシングル『SACHI』でデビューした歌手のSILVA(ブログより)
《“愛の伝道師”として活躍した歌手SILVAの今》母として『子どもの性教育』講師活動、マイクを握れば「投げ銭ライブ」に「2200円の激安ボイトレレッスン」の出血大サービスも
NEWSポストセブン
性的パーティーを主催していたと見られるコムズ被告(Getty Images)
《フリーク・オフ衝撃の実態》「全身常にピカピカに」コムズ被告が女性に命じた“5分おきの全身ベビーオイル塗り直し”、性的人身売買裁判の行方は
NEWSポストセブン
大食いYouTuber・おごせ綾さん
《体重28.8kgの大食いタレント》おごせ綾(34)“健康が心配になる”特殊すぎる食生活、テレビ出演で「さすがに痩せすぎ」と話題
NEWSポストセブン
美智子さまが初ひ孫を抱くのはいつの日になるだろうか(左・JMPA。右・女性セブン)
【小室眞子さんが出産】美智子さまと上皇さまに初ひ孫を抱いてほしい…初孫として大きな愛を受けてきた眞子さんの思い
女性セブン
宮城野親方
《元横綱・白鵬の宮城野親方「退職情報」に注目集まる》一度は本人が否定も、大の里の横綱昇進のなかで「祝賀ムードに水を差さなければいいが…」と関係者が懸念
NEWSポストセブン
出産を間近に控える眞子さん
眞子さん&小室圭さんがしていた第1子誕生直前の “出産準備”「購入した新居はレンガ造りの一戸建て」「引っ越し前後にDIY用品をショッピング」
NEWSポストセブン
不倫報道の渦中にいる永野芽郁
《永野芽郁が見せた涙とファイティングポーズ》「まさか自分が報道されるなんて…」『キャスター』打ち上げではにかみながら誓った“女優継続スピーチ”
NEWSポストセブン
子育てのために一戸建てを購入した小室圭さん
【眞子さん極秘出産&築40年近い中古の一戸建て】小室圭さん、アメリカで約1億円マイホーム購入 「頭金600万円」強気の返済計画、今後の収入アップを確信しているのか
女性セブン
カジュアルな服装の小室さん夫妻(2025年5月)
《親子スリーショットで話題》小室眞子さん“ゆったりすぎるコート”で貫いた「国民感情を配慮した極秘出産」、識者は「十分配慮のうえ臨まれていたのでは」
NEWSポストセブン
“極秘出産”していた眞子さんと佳子さま
《眞子さんがNYで極秘出産》佳子さまが「姉のセットアップ」「緑のブローチ」着用で示した“姉妹の絆” 出産した姉に思いを馳せて…
NEWSポストセブン
六代目山口組の司忍組長(時事通信フォト)と稲川会の内堀和也会長
《日本中のヤクザが横浜に》稲川会・清田総裁の「会葬」に密着 六代目山口組・司忍組長、工藤會トップが参列 内堀会長が警察に伝えた「ひと言」
NEWSポストセブン