芸能

『おっさんずラブ』続編 千葉雄大の存在感に度肝を抜かれた

番組公式サイトより

 さて、注目の作品の「設定変更」をどう捉えるべきか。ドラマウォッチの作家で五感生活研究所代表の山下柚実氏が指摘する。

 * * *
 たとえ人気作品ではあっても、「続編に向いているかどうか」と問われるとちょっと疑問符が──2018年に話題を振りまいたドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)が終わった段階で、私はコラムにそう書きました。あの時のブレイクぶりは凄まじかった。ツイッターで世界トレンド1位となりDVDや関連グッズが飛ぶように売れ、主演・田中圭の写真集や公式本も続々重版。社会現象を巻き起こしました。ですから、放送局が続編を考えるのは、いわば当然のこと。

 しかし。ドラマの構造の方は、ピュアで繊細な人間関係に支えられたおっさんの純愛物語。だから主人公の“はるたん”こと春田創一(田中圭)や黒澤武蔵(吉田鋼太郎)の恋が次から次へと続くのも無理がありそう。

 その後、2019年夏に公開された映画『劇場版おっさんずラブ ~LOVE or DEAD~』では、黒澤が記憶を失う設定にしたり、天空不動産に新メンバーが絡んだりして展開させたもよう。

 そしていよいよ今期、続編がドラマとしてスタート。いったいどんな新機軸を見せるのか。続編に無理はないのか。焼き直しの退屈なドラマなら見たくない。春たんの相手役・牧(林遣都)という重要なキャストが変わる、という情報もあって続編に賛否両論が巻き起こりました。

 11月2日、続編『おっさんずラブ-in the sky-』(テレビ朝日系 土曜夜11時15分)が始まり、さあ蓋を開けてみると……何とも大胆に物語の舞台を転換している。それまでの天空不動産という「地上」が舞台ではなく、天空という名そのもの、空に飛んだ。

 舞台は天空ピーチエアラインという航空会社。吉田鋼太郎演じる“ヒロイン”黒澤武蔵は、機長として登場。一方の春田は、客室乗務員として天空ピーチエアラインに転職してきた。なるほど。黒澤とはるたんの二本柱の構造だけを残し、他は鮮やかに変化させて先輩CAにMEGUMI、若手CAに木崎ゆりあ、チーフパーサーに片岡京子。

 そして、春田とカップルになった牧の代わりに、新たに登場してきたのが千葉雄大と戸次重幸。という刷新されたメンバーでの新しい船出なのに、まったく違和感がないのです。自然に物語に入っていける。これは凄いことです。

関連キーワード

関連記事

トピックス

2013年に結婚した北島康介と音楽ユニット「girl next door」の千紗
《不倫報道で沈黙続ける北島康介》元ボーカル妻が過ごす「いつも通りの日常」SNSで垣間見えた“現在の夫婦関係”
NEWSポストセブン
秋篠宮家の長男・悠仁さまの成年式が行われた(2025年9月6日、写真/宮内庁提供)
《凜々しきお姿》成年式に臨まれた悠仁さま 筑波大では「やどかり祭」でご友人とベビーカステラを販売、自転車で構内を移動する充実したキャンパスライフ
NEWSポストセブン
中途採用応募者が急に増えて担当者は困惑(写真提供/イメージマート)
《SNSの偽情報で実害》中途採用に「条件満たさない」応募者が激増した企業、勝手にFラン認定された大学は「少子化の中、学生に来てもらう努力を踏み躙られた」
NEWSポストセブン
趣里(左)の結婚発表に沈黙を貫く水谷豊(右=Getty Images)
趣里の結婚発表に沈黙を貫く水谷豊、父と娘の“絶妙な距離感” 周囲が気を揉む水谷監督映画での「初共演」への影響
週刊ポスト
日本復帰2戦目で初勝利を挙げたDeNAの藤浪晋太郎(時事通信フォト)
横浜DeNA・藤浪晋太郎を大事な局面で起用する三浦大輔監督のしたたかな戦略 相手ファンからブーイングを受ける“ヒール”がCSの行方を左右する
週刊ポスト
宮路拓馬・外務副大臣に“高額支出”の謎(時事通信フォト)
【スクープ】“石破首相の側近”宮路拓馬・外務副大臣が3年間で「地球24週分のガソリン代」を政治資金から支出 事務所は「政治活動にかかる経費」と主張
週刊ポスト
15人の大家族「うるしやま家」(公式HPより)
《ビッグダディと何が違う?》フジが深夜23時に“大家族モノ”を異例の6週連続放送 今、15人大家族「うるしやま家」が人気の背景 
NEWSポストセブン
自身のYouTubeで新居のルームツアー動画を公開した板野友美(YouTubeより)
《超高級バッグ90個ズラリ!》板野友美「家賃110万円マンション」「エルメス、シャネル」超絶な財力の源泉となった“経営するブランドのパワー” 専門家は「20~30代の支持」と指摘
NEWSポストセブン
高校ゴルフ界の名門・沖学園(福岡県博多区)の男子寮で起きた寮長による寮生らへの暴力行為が明らかになった(左上・HPより)
《お前ら今日中に殺すからな》ゴルフの名門・沖学園「解雇寮長の暴力事案」被害生徒の保護者らが告発、写真に残された“蹴り、殴打、首絞め”の傷跡と「仕置き部屋」の存在
NEWSポストセブン
濱田よしえ被告の凶行が明らかに(右は本人が2008年ごろ開設したHPより、現在削除済み、画像は一部編集部で加工しております)
「未成年の愛人を正常に戻すため、神のシステムを破壊する」占い師・濱田淑恵被告(63)が信者3人とともに入水自殺を決行した経緯【共謀した女性信者の公判で判明】
NEWSポストセブン
指定暴力団山口組総本部(時事通信フォト)
《外道の行い》六代目山口組が「特殊詐欺や闇バイト関与禁止」の厳守事項を通知した裏事情 ルールよりシノギを優先する現実“若いヤクザは仁義より金、任侠道は通じない”
NEWSポストセブン
志村けんさんが語っていた旅館への想い
《5年間空き家だった志村けんさんの豪邸が更地に》大手不動産会社に売却された土地の今後…実兄は「遺品は愛用していた帽子を持って帰っただけ」
NEWSポストセブン