スポーツ

競馬のコツ、人気が高い藤沢厩舎の馬を軸に買う馬券の妙味

人気が高い厩舎の馬でどう勝負する?

 若くしてイギリスに単身留学、帰国後、厩舎を経営していくにあたってさまざまな改革を進め、多くの競馬調教師に影響を与えてきた藤沢和雄調教師。実績を残している人の言葉は重い。競馬歴40年のライター・東田和美氏が、藤沢調教師と藤沢厩舎についてつづる。

 * * *
 パドックを周回していた出走馬に「止ま~れ~」の声がかかる。管理馬に小走りに駆け寄っていく調教師が多い中、いつもゆっくり歩いていくのが藤沢和雄だ。多くの観客を前にした愛馬が落ち着かない様子だったりすると、正面に回って鼻先をなでながら「よしよし、わかったわかった」などと声をかける。馬の不安な気持ちがわかるのだろう。

 藤沢和雄厩舎が開業したのは昭和が平成に変わる前の年。初勝利は6戦目、地方競馬出身のガルダンという8歳馬(当時)で、厩舎にはいまでもその時の新聞記事が貼りだされている(ちなみにこの馬は前年のジャパンカップにも地方馬として出走しているが、その時の鞍上はいまなお現役の的場文男騎手だ)。

 開業4年目の平成3(1991)年には最高勝率調教師としてJRA賞を受賞、5(1993)年には44勝をあげて早くも全国リーディングの座に就く。当時は「西高東低」の真っただ中で、2位から16位までが関西の厩舎だった。2年後再び首位に立つと、その後は10年連続してJRAで最多勝をあげ続けるなど、リーディングトレーナーになること14回。他の年もほとんど上位に顔を出している。平成だけでGI28勝を含む重賞113勝、通算1435勝をあげ、日本競馬をリードしてきた。とくに14(2002)年から16(2004)年までは天皇賞(秋)と有馬記念3連覇という偉業を成し遂げている。

 通算勝利数1470(11月3日終了時点)は歴代2位。1位は尾形藤吉調教師の1669だが、これは自由競争で100馬房もあり、定年制もなかった時代の話。近年勇退した1000勝以上の調教師はおらず、現役2位の国枝栄調教師も884勝。もちろん重賞勝利も他の調教師に大きく水を開けている。

関連キーワード

関連記事

トピックス

麻原が「空中浮揚」したとする写真(公安調査庁「内外情勢の回顧と展望」より)
《ホーリーネームは「ヤソーダラー」》オウム真理教・麻原彰晃の妻、「アレフから送金された資金を管理」と公安が認定 アレフの拠点には「麻原の写真」や教材が多数保管
NEWSポストセブン
”辞めるのやめた”宣言の裏にはある女性支援者の存在があった(共同通信)
「(市議会解散)あれは彼女のシナリオどおりです」伊東市“田久保市長派”の女性実業家が明かす田久保市長の“思惑”「市長に『いま辞めないで』と言ったのは私」
NEWSポストセブン
左から広陵高校の34歳新監督・松本氏と新部長・瀧口氏
《広陵高校・暴力問題》謹慎処分のコーチに加え「残りのコーチ2人も退任」していた 中井監督、部長も退任で野球経験のある指導者は「34歳新監督のみ」 160人の部員を指導できるのか
NEWSポストセブン
松本智津夫・元死刑囚(時事通信フォト)
【オウム後継「アレフ」全国に30の拠点が…】松本智津夫・元死刑囚「二男音声」で話題 公安が警戒する「オウム真理教の施設」 関東だけで10以上が存在
NEWSポストセブン
二刀流復帰は家族のサポートなしにはあり得なかった(getty image/共同通信)
《プールサイドで日向ぼっこ…真美子さんとの幸せ時間》大谷翔平を支える“お店クオリティの料理” 二刀流復帰後に変化した家事の比重…屋外テラスで過ごすLAの夏
NEWSポストセブン
9月1日、定例議会で不信任案が議決された(共同通信)
「まあね、ソーラーだけじゃなく色々あるんですよ…」敵だらけの田久保・伊東市長の支援者らが匂わせる“反撃の一手”《”10年恋人“が意味深発言》
NEWSポストセブン
鉄板焼きデートが目撃されたKing & Princeの永瀬廉、浜辺美波
《デートではお揃い服》お泊まり報道の永瀬廉と浜辺美波、「24時間テレビ」放送中に配慮が見られた“チャリT”のカラー問題
NEWSポストセブン
8月に離婚を発表した加藤ローサとサッカー元日本代表の松井大輔さん
《“夫がアスリート”夫婦の明暗》日に日に高まる離婚発表・加藤ローサへの支持 “田中将大&里田まい”“長友佑都&平愛梨”など安泰組の秘訣は「妻の明るさ」 
女性セブン
経済同友会の定例会見でサプリ購入を巡り警察の捜査を受けたことに関し、頭を下げる同会の新浪剛史代表幹事。9月3日(時事通信フォト)
《苦しい弁明》“違法薬物疑惑”のサントリー元会長・新浪剛史氏 臨床心理士が注目した会見での表情と“権威バイアス”
NEWSポストセブン
海外のアダルトサイトを通じてわいせつな行為をしているところを生配信したとして男女4人が逮捕された(海外サイトの公式サイトより)
《公然わいせつ容疑で男女4人逮捕》100人超える女性が在籍、“丸出し”配信を「黙認」した社長は高級マンションに会社登記を移して
NEWSポストセブン
麻薬取締法違反で逮捕された俳優の清水尋也容疑者(26)
「同棲していたのは小柄な彼女」大麻所持容疑の清水尋也容疑者“家賃15万円自宅アパート”緊迫のガサ当日「『ブーッ!』早朝、大きなクラクションが鳴った」《大家が証言》
NEWSポストセブン
サントリー新浪剛史会長が辞任したことを発表した(X、時事通信フォト)
大麻成分疑いで“ガサ入れ”があったサントリー・新浪剛史元会長の超高級港区マンション「かつては最上階にカルロス・ゴーンさんも住んでいた」
NEWSポストセブン