芸能

注目の女流囲碁棋士10人がクラファンで写真集を発売した理由

クラウドファンディングで制作した『女流棋士フォトブック』

クラウドファンディングで制作した『女流棋士フォトブック』

 若手の女流囲碁棋士らが自らクラウドファンディングで資金を集め、企画・制作した写真集が完成した。その名も『女流棋士フォトブック』。対局では決して見せない女流棋士たちの素顔やコスプレ姿の写真、さらにはインタビュー記事など、内容も盛りだくさんだ。日ごろ対局で忙しい棋士が、なぜ自主制作で写真集を作ることになったのか──。囲碁ライターの内藤由起子氏が取材した。

 * * *
『女流棋士フォトブック』プロジェクトの中心的役割を果たしたのは、木部夏生二段と星合志保二段だ。

 女流棋士は指導対局や解説会で直接ファンと交流することが多い。そんな機会を通して、星合二段は常々、「囲碁が好きで対局を楽しむ人は多いのに、棋士を知らない人が多い」と感じていたという。

 そこで昨年末、若手棋士主催のクリスマスイベントで入門講座を行った際に16ページの小さな冊子を作った。イラストが得意な木部二段が、ルール説明のほか棋士の写真や文章を入れたところ、思いのほか好評だったという。

 星合二段は、「またこういう冊子ができたらいいな」「棋士をもっと知ってほしい」「もっと新しいことがしたい」「碁を知らない人にもアプローチしたい」など、募る思いを先輩の謝依旻六段に相談したところ、「どうせやるならめっちゃ大きくやろう。クラウドファンディングという手法もあるよ」とのアイデアをもらった。

「クラウドファンディングといっても最初はぴんときませんでした。まったく未知の方法でしたし、現実味がなくて……。いろいろ調べて見ると、お金が集まっていないプロジェクトもあって、不安のほうが大きくなりました。一般的には私たちの知名度はないと思っていましたしね」(木部二段)

 それでも、赤字になったら木部二段と星合二段で補填するつもりでプロジェクトは走り出した。写真集に登場してくれる棋士にも謝礼が出せるか分からない状況だったため、「それでもいいよ」と言ってくれそうな親しい棋士に声をかけていった。

関連キーワード

関連記事

トピックス

モンゴル滞在を終えて帰国された雅子さま(撮影/JMPA)
雅子さま、戦後80年の“かつてないほどの公務の連続”で体調は極限に近い状態か 夏の3度の静養に愛子さまが同行、スケジュールは美智子さまへの配慮も 
女性セブン
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト
LINEヤフー現役社員の木村絵里子さん
LINEヤフー現役社員がグラビア挑戦で美しいカラダを披露「上司や同僚も応援してくれています」
NEWSポストセブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の判決は執行猶予付きに(画像はイメージ、Getty)
「何もついてない、まっさらな状態で抱きしめたかった」呼吸器に繋がれた医療的ケア児の娘(7)を殺害した母(45)が語った「犯行時の心情」【執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
医療的ケア児の娘を殺害した母親の公判が行われた(左はイメージ/Getty、右は福岡地裁/時事通信)
24時間介護が必要な「医療的ケア児の娘」を殺害…無理心中を計った母親の“心の線”を切った「夫の何気ない言葉」【判決・執行猶予付き懲役3年】
NEWSポストセブン
運転席に座る広末涼子容疑者
《事故後初の肉声》広末涼子、「ご心配をおかけしました」騒動を音声配信で謝罪 主婦業に励む近況伝える
NEWSポストセブン
近況について語った渡邊渚さん(撮影/西條彰仁)
渡邊渚さんが綴る自身の「健康状態」の変化 PTSD発症から2年が経ち「生きることを選択できるようになってきた」
NEWSポストセブン
昨年12月23日、福島県喜多方市の山間部にある民家にクマが出現した(写真はイメージです)
《またもクレーム殺到》「クマを殺すな」「クマがいる土地に人間が住んでるんだ!」ヒグマ駆除後に北海道の役場に電話相次ぐ…猟友会は「ヒグマの肉食化が進んでいる」と警鐘
NEWSポストセブン
真美子さん着用のピアスを製作したジュエリー工房の経営者が語った「驚きと喜び」
《真美子さん着用で話題》“個性的なピアス”を手がけたLAデザイナーの共同経営者が語った“驚きと興奮”「子どもの頃からドジャースファンで…」【大谷翔平と手繋ぎでレッドカーペット】
NEWSポストセブン
竹内朋香さん(左)と山下市郎容疑者(左写真は飲食店紹介サイトより。現在は削除済み)
《浜松ガールズバー殺人》被害者・竹内朋香さん(27)の夫の慟哭「妻はとばっちりを受けただけ」「常連の客に自分の家族が殺されるなんて思うかよ」
週刊ポスト
サークル活動に精を出す悠仁さま(2025年4月、茨城県つくば市。撮影/JMPA)
《普通の大学生として過ごす等身大の姿》悠仁さまが筑波大キャンパス生活で選んだ“人気ブランドのシューズ”ロゴ入りでも気にせず着用
週刊ポスト
場所前には苦悩も明かしていた新横綱・大の里
新横綱・大の里、場所前に明かしていた苦悩と覚悟 苦手の名古屋場所は「唯一無二の横綱」への起点場所となるか
週刊ポスト