国内

沢尻エリカ「薬物逮捕」で改めて考える人類とドラッグの歴史

映画やドラマでの活躍が目立ち始めた矢先だった(Imaginechina/時事通信フォト)

 女優・沢尻エリカ容疑者が合成麻薬MDMAの所持で警視庁に逮捕された。供述によると、「10年以上前から」違法薬物を使用していたという。歴史作家の島崎晋氏が、数千年に及ぶ人類と麻薬の歴史について解説する。

 * * *
 NHKの大河ドラマは呪われているのではないか──今年放送の『いだてん』に続いて、来年の『麒麟がくる』でも主要キャストが違法薬物の所持・使用で逮捕されるようでは、そう言われても仕方がないかもしれない。

 逮捕後、沢尻エリカ容疑者は取り調べに対し「MDMAは数週間前にイベント会場でもらった。これまでに大麻やLSD、コカインも使った」と供述しているという。沢尻容疑者が所持していたMDMAは俗称「エクスタシー」と呼ばれる合成麻薬だが、大麻やLSDなどはその原料や製造法、薬物として使用された歴史がそれぞれ異なる。

 一般的に、麻薬はアヘンアルカロイド系、コカアルカロイド系、カンナビノール系の天然麻薬3種と合成麻薬の4種に大きく分けられる。

 アヘンを主要素材とするヘロインやモルヒネはアヘンアルカロイド系、南米アンデス地方原産の植物コカを主要素材とするコカインはコカアルカロイド系に分類され、強力な幻覚剤のLSDは合成麻薬に含まれる。

 幻覚作用と興奮作用を併せ持つ「スピード」または「シャブ」と呼ばれるものは覚醒剤、麻酔作用と陶酔作用を持つマリファナ(大麻)はカンナビノール系に分類され、日本では取り締まる法律がそれぞれ異なっている。

 アヘンはケシという植物の実から作られるが、ケシの原産地は地中海沿岸とも西アジアとも言われる。紀元前4000年頃のメソポタミア文明の遺跡から発見された石板にケシの実から採取できる汁についての記述やケシを「喜びの植物」と表現した記述があることから、アヘンを薬用及び嗜好品として使用する習慣は文明の誕生とともに生まれたことが見て取れる。

 大麻もまた植物由来の薬物で、原産地は中央アジア。形状により乾燥大麻、大麻樹脂、液体大麻の3つに分類され、このうち大麻の葉を乾燥させた乾燥大麻がマリファナの名で知られるもので、大麻草の葉や茎を加工した大麻樹脂はハシッシュの通称で呼ばれている。

関連記事

トピックス

三重県津市議会の青山昇武議長が女性市議への「不同意わいせつ」と「不同意性交等未遂」の疑いで書類送検された(左・Facebookより)
三重県津市議会の“禁断の話題” 公明党・青山昇武議長が女性市議への「不同意わいせつ」と「不同意性交等未遂」の疑いで書類送検、 調査委員会設置は棄権多数で否決
NEWSポストセブン
新橋には庶民に人気の居酒屋が数多くある(写真提供/イメージマート)
新橋の居酒屋が全国初「路上営業」で営業停止処分 人気店が摘発された背景と野外での”違法営業”が続く事情
NEWSポストセブン
すき家がネズミ混入を認める(時事通信フォト、写真は東京都港区の店舗)
【ネズミ混入味噌汁・被害者とのやり取り判明】すき家は「電話を受けた担当者からお詫び申し上げました」 本社も把握していたのに2ヶ月公表しなかった謎
NEWSポストセブン
水原の収監後の生活はどうなるのか(AFLO、右は収監予定のターミナル・アイランド連邦矯正施設のHPより)
《水原一平被告の収監まで秒読み》移送予定刑務所は「深刻な老朽化」、セキュリティレベルは“下から2番目”「人種ごとにボスがいて…」 “良い子”にしていれば刑期短縮も
NEWSポストセブン
歌舞伎町では多くの外国人観光客でにぎわう(撮影/木村圭司)
《全国初摘発》東京・歌舞伎町の「インバウンド向け風俗店」荒稼ぎの実態 客の6~7割は外国人で売り上げは11億円、店からは16か国の通貨を押収
週刊ポスト
眞子さんの箱根旅行のお姿。耳には目立つイヤリングも(2018年)
小室眞子さんの“ゆったりすぎるコート”に「マタニティコーデ」を指摘する声も…皇室ジャーナリスト「ご懐妊でも公表しない可能性」
NEWSポストセブン
ゼンショーホールディングスが運営する「すき家」が問題の画像についてコメントした(時事通信フォト)
【「味噌汁にネズミの死骸」で新展開】すき家がネズミ混入を認めて謝罪「従業員が提供前に商品状態の目視確認を怠った」 約2ヶ月にわたり非公表 昨年には大手製パン会社で混入の事例も
NEWSポストセブン
性被害により、バングラデシュの少女が8歳という幼さで亡くなった(地元メディアのFacebookより)
《バングラデシュ・少女殺害事件》「猿ぐつわをつけられ強制的に…」「義父の犯行を家族ぐるみで手助けした」 “性被害隠蔽殺人”も相次ぐ
NEWSポストセブン
原宿駅を降りてすぐに見える「竹下通り」(時事通信フォト)
《潜入レポート》原宿・竹下通りの偽ブランド品販売店にキャッチ男性に誘われ入店 「売っているのは本物?偽物でしょう」と聞くと…キャッチ男性がとった行動
NEWSポストセブン
3月1日に亡くなったフリーアナウンサーのみのもんたさん
《みのもんたさんは焼き肉で…》“誤飲”の恐ろしさ「窒息事故発生件数が多い食品」と「事故が起きた場合に重症となる割合が高い食品」、まったく異なるそれぞれのトップ3
女性セブン
サインと写真撮影に応じ“神対応”のロバーツ監督
ドジャース・ロバーツ監督が訪れた六本木・超高級和食店での“神対応” 全員のサインと写真撮影に応じ、間違えてファンの車に乗ってしまう一幕も
週刊ポスト
男性キャディの不倫相手のひとりとして報じられた川崎春花(時事通信フォト)
“トリプルボギー不倫”女子ゴルフ選手を待ち受ける「罰金地獄」…「4人目」への波及も噂され周囲がハラハラ
週刊ポスト